第一次のスーパーカーブームが落ち着いてから約10年。1980年代末に日本はバブル景気に突入する。そんな時代に新たなスーパーカーが数多く登場し「スーパーカー第二黄金期」が到来する。年末年始スペシャルとして、日本が最も輝いていた華やかなりし時代の寵児たちを振り返ってみたい。第3回は、フェラーリのフラッグシップ、テスタロッサだ。

フェラーリ・テスタロッサは、512BBからドラスティックな進化を果たす。

「FERRARI Testarossa:フェラーリ・テスタロッサ」
1984年のパリ・ショー(通称:パリ・サロン)で、それまでのフラッグシップであった512BBの後継車としてデビューしたのが、テスタロッサだ。このクルマは、世界最速のロードカーを目指して生まれたことは言うまでもない。

画像: 2本のステーによるアウターミラー、ボディサイドやリアのスリットなど、ディテールも刺激的だった。

2本のステーによるアウターミラー、ボディサイドやリアのスリットなど、ディテールも刺激的だった。

1950年代末に活躍した250TRや500TR(TRとはテスタロッサの略)といった往年の名車から継承した車名“テスタロッサ”はイタリア語で「赤い頭」を意味し、歴代のテスタロッサ同様にエンジンのヘッドカバーは赤く塗られている。

画像: シリンダーヘッドを赤く塗った5L 12気筒。「テスタロッサ」の名は、これに由来する。

シリンダーヘッドを赤く塗った5L 12気筒。「テスタロッサ」の名は、これに由来する。

ミッドシップ搭載されるそのエンジンは、5Lの水平対向12気筒DOHC。4バルブ化され、最高出力は512BBより50psアップした390psを発生する。最高速度は290km/h、0-100km/h加速は5.8秒、0-1000m加速は24.1秒と発表された。

画像: インテリアは、365/512よりかなりモダナイズし、これ以降のフェラーリ車に影響を与えていく。

インテリアは、365/512よりかなりモダナイズし、これ以降のフェラーリ車に影響を与えていく。

ピニンファリーナとスカリエッティのコンビが生み出したボディは、ドアとルーフこそ安全上の理由からスチール製だが、基本的にはアルミ製。とくに目をひいたのが、サイドのスリット入りエアインテークと2本ステーのアウターミラー。そのデザインの斬新さは、後発のモデルに大きな影響を与えた。(文:ホリデーオート編集部)

画像: フラッグシップにふさわしい上質の本革製シートだが、アジャストはマニュアル。

フラッグシップにふさわしい上質の本革製シートだが、アジャストはマニュアル。

フェラーリ・テスタロッサ 主要諸元(1984年)

●全長×全幅×全高:4485×1980×1130mm
●ホイールベース:2550mm
●重量:1600kg
●エンジン種類:水平対向12 DOHC
●排気量:4942cc
●最高出力:390ps/6300rpm
●最大トルク:50.0kgm/4500rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前225/50VR16・後255/50VR16

画像: スーパーカー第二黄金期は、ホリデーオート2018年11月号にも掲載されています。

スーパーカー第二黄金期は、ホリデーオート2018年11月号にも掲載されています。

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