多くのクルマが3ナンバーサイズ化
平成5年には東京湾レインボーブリッジが開通、さらに新羽田空港がオープンしている。東京の湾岸地区が活気づく礎が築かれた年と言っていいだろう。スポーツ界には大きな動きがあった。プロサッカーのJリーグがスタート、また福岡ドームが完成した。しかし、日本経済全体は不振で“平成不況”とか“リストラ”などという言葉が盛んに使われた時期である。国産乗用車のニューモデルは24台(自工会発表資料)と前年の32台から大きく減った。
平成5年の主な出来事
・サッカー日本代表の“ドーハの悲劇”
・細川連立内閣誕生
・北海道南西沖地震発生
・大相撲に初の外国人横綱「曙」誕生
・皇太子様、雅子様ご結婚
・横浜ランドマークタワー開業
・音楽 YAH YAH YAH(CHAGE&ASKA)
・映画 ジュラシックパーク
・流行語 コギャル、リストラ
・TV ひとつ屋根の下
日産 ローレル

7代目となるC34型ローレルが登場したのは平成5年1月。従来のピラードレスからピラードハードトップになった。ボディは全車3ナンバーサイズとなり、すっきりとしたスタイリングでありながら存在感があった。
ホンダ トゥデイ

1月に2ドアがデビューし、遅れて5月に4ドアがラインナップに加わった。初代は商用車として登場したが、この2代目は乗用車となった。フロントマスクに初代前期型イメージを残すデザインが好評だった。
ホンダ インテグラ

3代目インテグラはシビック(EG型)とプラットフォームを共用したが、エンジンには1.8LのVTECを用意するなど、ひとクラス上のラグジュアリーカーだ。丸型4灯のフロントマスクが特徴的だった。
トヨタ スープラ

“スープラ”の名前は北米では1978年から使われていたが、日本では1986年に初代が登場、このA80型が2代目となる。本格的なFRスポーツで2002年まで生産された。そして、3代目の登場が迫っている。
日産 スカイライン

人気のR32型の後を受けて登場したR33型スカイラインはボディを大型化して全車3ナンバーになった。しかし、このサイズアップは不評でR34型はまた小さくなる。そんなエピソードを思い出させる9代目だ。
スズキ ワゴンR

軽自動車のパッケージングに革命を起こした。この初代ワゴンRが登場するまでは背の低いセダンかワンボックスしかなかったが、新たな背の高いツーボックスは大人気を博した。以後、軽自動車の形の見本となったのはご存じのとおりだ。
ホンダ アコード

この時代、2Lクラスのセダンは3ナンバーサイズとなって行ったが、この5代目アコードも例外ではない。平成6年にはアメリカ産のワゴンもフルモデルチェンジされて日本へ導入された。
マツダ ユーノス800

マツダの販売店5チャンネル化で立ち上がったユーノス店のフラッグシップだ。3ナンバーサイズのゴージャスなボディに、量産車初のミラーサイクルエンジンを搭載したことが特徴的だった。
スバル レガシィ

ライバルが次々と3ナンバーサイズ化する中で、5ナンバー枠を守ったのが2代目レガシィだ。セダンとツーリングワゴンがあり、平成7年にはアメリカ向けにアウトバックが誕生、日本でもグランドワゴンとして発売された。
日産 シルビア

人気モデルの後は難しいと言われるが、このS14型シルビアはその典型的な例。スタイリングはキープコンセプトだがボディは大型化したため、持ち前の軽快感あるFRスポーツとして特徴が薄れてしまい、高人気とはならなかった。