2019年最初の「コレ何?」。前回と同じ、某コレクションで見つけた平面ボディのRV風オープンカー。ミリタリー・ファンなら知っているかもしれないけれど、どこの国の、なんていうクルマ?
これこそ、世界初のSUVか!?
このクルマの名前は「キューベルワーゲン」。第二次大戦前の1937年から開発された、ドイツの軍用小型車だ。その名が示すとおり、フォルクスワーゲン・ビートルをベースにしている。
従ってエンジンは985cc(後期型では1130ccにアップ)の空冷水平対向4気筒OHVをリアに搭載し、後輪のみを駆動する。
サイズは全長3.74×全幅1.60mと軍用車両としては比較的小型で、車重も725kgと軽い。駆動輪にリダクションギアを採用してロードクリアランスは29cmもあるので、軽量な車体とRR方式、簡潔な足回りも相まって悪路走破性は高かった。
戦後、レプリカが製造されて日本にも導入されているが、この車両は1944年に製造されて実際に使われていたクルマをレストアしたもの。日本の車検をクリアして、「1944」のナンバーを取得している。
コンパクトなボディながら、4枚のドアを持つ4人乗りで、リアシートの後ろには大きなラゲッジスペースもある。まさに、世界初のSUVとも呼べるキューベルワーゲン。第二次大戦終了までに、約5万2000台が生産された。
このキューベルワーゲンについては、ホリデーオート2019年2月号「モンスターマシンに昂ぶる」で詳しく紹介しています。