査定士も人間であることを忘れず、見えにくい部分の清掃も
愛車を買い換えようとするとき、誰もが「今の愛車を高く下取ってもらう」ことを考えるだろう。クルマの下取り・買取額は、業界にある相場表で大体決まっている。そこから、いかに高額を引き出すかが課題だ。
査定を依頼する前に洗車をすることは大前提。汚れたままではクルマの状態を正確に診断してもらえない。さらに、査定するのはプロとはいえ人間、キレイなものを高く評価するだろう。でも、ただ洗うだけでは不十分。同じ洗うでも、より“キレイに見せるポイント”をここでは紹介していこう。
ポイントのひとつは「黒いパーツを徹底的に黒くする」ことだ。とくにゴムや樹脂パーツは経年により色あせ、白く劣化してしまう。日頃の手入れも大事だが、もし変色していたらケミカル剤で黒く復活させよう。
黒いパーツで忘れてしまいがちな部分がホイールハウスだ。手を入れにくい部分ではあるが、ここをキレイにしていると、予想以上に印象が良くなる。これと同時に、ホイールについたブレーキダストの黒ずみも落としておこう。歯ブラシとケミカル剤を使えば頑固な汚れも除去できる。
エンブレムの隙間やパネルの継ぎ目に、ワックスの残りや泥に混ざったゴミが溜まってしまう。これらもクルマを汚く見せている原因のひとつ。手では除去できないので爪楊枝や毛先の柔らかいブラシで丹念に汚れを落とそう。
車内清掃の基本は、掃除機でゴミやホコリを吸うことと、インパネやメーターパネル内、ドア内張りやコンソールを拭き掃除すること。キレイに見せるポイントは、ボタン上の塗装文字がクッキリ見えることや、エアコン吹き出し口のルーバーにホコリが付着していないことだ。
また、車内で最重要ポイントとなるシートには、汚れやスレがついてしまいがち。ファブリックシートの外張りをはずして丸洗いできればベストだが、水拭きでもOK。中性洗剤を薄めた水でウエスを濡らして拭けば、汗ジミや軽度の汚れなら落とすことができるだろう。
また、本革シートに家具用保護剤を塗布するのはご法度だ。シート表面に樹脂コーティングが施されているので、水拭きが基本となる。新車付属品の専用クリーナーでも汚れを落とせるが、ひび割れまで補修することはできない。この場合、同色の補修用靴クリームを複数回塗り込んで目立たなくするという手もある。ただ、失敗する可能性も高いので、塗装に慣れた上級者向けの方法といえる。