2019年2月28日、スバルは航空宇宙カンパニー宇都宮製作所において、陸上自衛隊の新多用途ヘリコプター試作機を防衛省に納入した。(タイトル写真は、国際航空宇宙展2018東京に展示された、412EPXと陸上自衛隊の新多用途ヘリコプターの模型)

民間向けの同型ヘリコプターも製造・販売

スバルのルーツは、大戦中の名戦闘機「隼」を作っていたことでも有名な中島飛行機。現在もスバル社内には「航空宇宙カンパニー」があり、ジェット旅客機ボーイング787の中央翼開発・製造や、無人機の研究・開発に取り組んでいる。

そんなスバルは、2015年9月に防衛省との間で締結した試作請負契約を受け、民間向け最新型ヘリコプター「スバル ベル 412EPX」を米国のベル・ヘリコプター・テキストロン社と共同開発し、この機体を共通プラットフォームとして、陸上自衛隊が現在使用しているUH-1の後継となる新多用途ヘリコプター試作機「UH-X」を開発・製造した。

画像: 実験飛行中のUH-X

実験飛行中のUH-X

試作機は2018年12月の飛行試験開始以降、性能確認、実証作業等を順調に実施し、防衛省による確認を経て納入に至った。今後、この試作機は防衛省において各種試験が実施される予定で、スバルは、将来の新多用途ヘリコプター量産事業開始を見据え、その体制を整えていく。

また、「スバル ベル 412EPX」は、2019年1月18日に国土交通省航空局から型式設計変更承認を取得した。これを受け、スバルは防衛省向け事業とあわせ、民間向けである「スバル ベル 412EPX」の製造、販売をより一層推進していく。

画像: スバル ベル 412EPX

スバル ベル 412EPX

ちなみに、UH-Xは軍事機密のためスペックは公表されていないが、ベースとなっている「スバル ベル 412EPX」は、全長17.1m(胴体長13.1m)、全高4.6m、ローター直径14mの小型ヘリコプター。乗員は1-2名で、13名の乗客もしくは約5500kgの積載が可能だ。

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