フラットスポット、ブリスター、グレイニング、デグラデーションなどタイヤの状態を表す言葉は多い。ほかにもタイヤに関するものも多いので、ここで改めて解説しておこう。
プライム/オプション
F1ではひとつのレースで硬さの異なる2種類のタイヤが供給されることになっているが、硬い方のタイヤのことを「プライム」という。かつてレースの鍵を握っていたのは耐久性のあるタイヤであったため、硬い方のタイヤのことをプライム(=重要な)と呼ぶことになったのだ。また、柔らかいタイヤはオプション(=もうひとつの選た肢の)という。
フラットスポット
急ブレーキなどでタイヤがロックした際に、地面と接触したタイヤの一部分が摩擦により削られてしまうが、そのことで平らになってしまった部分のことを指す。
ブリスター
タイヤの温度が上昇して、タイヤ表面が膨れ上がったり気泡ができたりするが、それを「ブリスター」という。高い路面温度や強いブレーキングにより発生しやすくなる。
グレイニング
タイヤのゴムが削れてカスとなり、それがトレッド面に付着しタイヤがささくれた状態になること。タイヤの表面が均一にならないためグリップ力が低下する。
デグラデーション
タイヤの性能劣化のこと。熱、磨耗、荒れた路面などが原因で起こるが、熱の影響によるものをサーマルデグラデーションという。
マーブル
タイヤカスのこと。「大理石」のようにキラキラして見えることからそう呼ばれる。
スクラブ
新品タイヤを装着して走行する際、タイヤに熱を入れて不必要な膜を剥がしタイヤ本来のパフォーマンスを引き出すこと。「皮むき」とも言う。
インターミディエイト
通常2種類用意されているレインタイヤの中で、ドライに近い状況に対応したタイヤ。大雨用のタイヤはフルウェットタイヤと呼ばれる。
スローパンクチャー
傷などから徐々にタイヤの空気が抜けていくこと。そのまま走行を続けているとバースト(破裂)することもある。