パフォーマンスを示したフェラーリに襲いかかる不運
フェラーリに移籍したばかりのシャルル・ルクレールは、コースレコードを塗り替える好タイムで自身初のポールポジションを手に入れると、決勝レースでもスタートで3番手に順位を落としたものの、バルテリ・ボッタス、セバスチャン・ヴェッテルをすぐに抜き返してトップに立ち、快調なペースで後続を引き離していった。
先輩ヴェッテルをパスしてトップに立ったのは5周目。13周目に最初のピットストップでソフトタイヤからミディアムタイヤに切り替え、36周目に2度目のピットストップで再びミディアムタイヤを装着すると、1分33秒411のファステストラップをマークしながら、さらにリードを広げていった。
そんなルクレールに異変が起きたのは残りわずか11周となる46周目。8秒以上のリードという余裕のある状況だったが、パワーユニットの問題を訴えラップタイムが一気に2秒近くも落ちた。
こうなると後続をを抑える力はなく、48周目にハミルトン、53周目に一時は30秒以上の差があったボッタスにもパスされてしまう。それでもセーフティカーの導入もあってなんとか表彰台は死守した。
最高速が大幅に落ち込んだものの、完全にストップすることがなかったこと、途中若干回復の兆しを見せたこと、11周あまりをなんとか走り切ったことなどから、MGU-Hのトラブルではないか、ターボの不具合が起きているのではないかなど、その原因についていくつかの憶測が飛んでいるが、どうやらV6エンジンのうち1気筒がミスファイアを起こしていたようだ。ただし、これに関してフェラーリからまだ正式なアナウンスはない。
レース後、シャルル・ルクレールは「これがレースです。終盤までレースをリードしていたので残念ですが、クルマはドライブしやすく、とても素晴らしかった。今日のことはポジティブに考えています。これが私のF1で初めての表彰台です。 より強くなって戻ってきますよ」とコメント。
フェラーリのマッティア・ビノット代表は「シャルルにとっては残念だったが、勝利に値する走りを見せてくれました。チームは素晴らしい仕事をし、ピットストップもうまくいきました。パフォーマンスに手応えを感じることもできました。問題は信頼性だけでした。勝つためにはなにが起きたのかを正しく知ることが重要です。 私たちが学ばなければならないさまざまなことがまだあります」と語っている。