新しい元号が「令和」に決まり、いよいよ平成が終わろうとしているが、この時代に誕生した記憶にとどめておきたいスポーツカーたちを、図鑑風に紹介していこう。今回は日産 シルビア(S13型)の姉妹車、180SXだ。

シックなシルビアとは対照的なファストバックで若者の心をつかむ

「日産 180SX(RS13型:1989年4月発売)

画像: シルビアとはまったく異なる、リアに大きなゲートを備えたファストバックスタイル。

シルビアとはまったく異なる、リアに大きなゲートを備えたファストバックスタイル。

5代目シルビア(S13型)は、1988年5月に発売された。それから約1年後の89年4月、シルビアの姉妹車として180SXが登場した。

北米向けには240SXというモデルが輸出されており、これはシルビアのクーペボディに現地のヘッドライト位置の法規に対応するため、リトラクタブルライトを装着したモデルだった。180SXは、240SXのハッチバック版の日本仕様といえる。

画像: ステアリングの形状以外、インテリアはシルビアと共通。シンプルなデザインで、タコメーターは8000rpmからレッドゾーン。

ステアリングの形状以外、インテリアはシルビアと共通。シンプルなデザインで、タコメーターは8000rpmからレッドゾーン。

エンジンやトランスミッション、サスペンションといったパワートレーン系、ボディまわりではドアパネルとフロントウインドーなど、そしてインテリア構成パーツのほとんどもS13型シルビアと共通だ。ただしエンジンはCA18DET型の1.8L 直4DOHCターボのみで、NAは用意されなかった。

画像: 初期型のCA18DET型は175psを発生。マルチリンク式リアサスとの組み合わせで豪快なドリフト走行が楽しめた。

初期型のCA18DET型は175psを発生。マルチリンク式リアサスとの組み合わせで豪快なドリフト走行が楽しめた。

91年のマイナーチェンジでエンジンは2LターボのSR20DET型に換装された。93年にシルビアはS14型にフルモデルチェンジされたが、180SXはそのまま生産が継続された。

96年のビッグマイナーチェンジでエクステリアが変更され、98年まで生産されたが、パワートレーン系に大きな変更はなかった。

デビュー時のグレードにはタイプIとIIがあり、IIにはHICASII搭載車も用意されたが、ドリフトを楽しむ人たちの多くが、制御のしやすさからHICASなしを選んでいた。

画像: 1993年にS13型シルビアがフルモデルチェンジされた後も、180SXは98年まで生産が継続された。

1993年にS13型シルビアがフルモデルチェンジされた後も、180SXは98年まで生産が継続された。

180SX タイプII(1989年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4540×1690×1290mm
●ホイールベース:2475mm
●重量:1170kg
●エンジン型式・種類:CA18DET型・直4 DOHCターボ
●排気量:1809cc
●最高出力:175ps/6400rpm
●最大トルク:23.0kgm/4000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:195/60R15
●価格:197万円

画像: 平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

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