エンジンや足回りなどを進化させ、FRスポーツとしての熟成度を高める。
「日産 シルビア（S13型・後期型：1991年1月発売）」
マイナーチェンジごは、リアスポイラーがウイングタイプの新形状に変更され、LEDのハイマウントストップランプが内蔵されている。
日産のスペシャルティカー、シルビアは1988年5月に5代目のS13型へとフルモデルチェンジした。グッドデザイン大賞を受賞した流麗なスタイリング、当時でも貴重な存在となり始めていたFRのスポーティクーペで、走り好きの若者を中心に大きな人気を呼んだ。
ただし、S13型シルビアのデビューは昭和なので、ここではマイナーチェンジ後のモデルについて紹介したい。
CA18系の鋳鉄から軽量なアルミブロックのSR20系に換装。ブロック剛性が高くチューニングベースとして重宝された。
1991年1月、S13型シルビアはマイナーチェンジを受けて後期型となる。最大の変更点は、エンジンを1.8LのCA18系から2.0LのSR20系に換装したこと。最強グレードのK'sはこれにターボをドッキングしたSR20DET型を積み、パワー/ウエイト・レシオは5.6kg/psを達成している。
足回りも位相反転制御を行うスーパーHICASに進化し、さらにタイヤを195/60から205/60にサイズアップしたことでコーナリング限界が一段と高まった。
マイナーチェンジ前はヘッドレスト一体型のシートだったが、マイナーチェンジで写真のようにヘッドレスト分離型になった。
外観は、ランプ類やリアスポイラーの変更程度で、大きくは変えられていない。内装の変更点も、シート形状など細かい部分だけだった。
だがエンジン排気量アップと後輪制御の進化を受け、FRスポーツとしての熟成度を高めたS13型シルビアは、当時スペシャルティカーとして大人気を誇ったホンダ・プレリュードの牙城を崩し、約30万台が販売されるほどの人気を誇った。
とくにドリフトを目指す若者から熱い視線を浴びたが、その流麗なシルエットは女性からも人気を集めた。
プロジェクターヘッドランプが4連から6連になったほか、アルミホイールのデザインも変更されたが、パッと見はマイナーチェンジ前と大きく変わらない。
シルビア K's（1991年）主要諸元
●全長×全幅×全高：4470×1690×1290mm
●ホイールベース：2475mm
●重量：1150kg
●エンジン型式・種類：SR208DET型・直4 DOHCターボ
●排気量：1998cc
●最高出力：205ps/6000rpm
●最大トルク：28.0kgm/4000rpm
●トランスミッション：5速MT
●タイヤサイズ：205/60R15
●価格：203万9000円
