魅力的な旧いクルマと長く一緒に過ごしたいと思っていても、それを維持することは普通ならとても難しいことだろう。でもボルボは違った。長くボルボに乗り続ける人のためのリフレッシュ部門があるのだ。(文:千葉知充/写真:永元秀和)
画像: 走っているだけで、いや駐めているだけで存在感があるボルボアマゾン。内外装ともにとても綺麗が個体だ。

走っているだけで、いや駐めているだけで存在感があるボルボアマゾン。内外装ともにとても綺麗が個体だ。

70年代のクルマには、これまであまり試乗する機会がなかったなと記憶を辿っていたら、否、意外とあった。大学時代に後輩が乗っていたハコスカやホンダZの運転経験があり、他にもギャランGTOやアコードなどの所有歴もあったのだ。しかしそれらはすべて70年代のクルマだった。

そしてすべて日本車である。70年代の輸入車を動かすことはなかったのだが、今回嬉しいことにそうした機会に恵まれた。それがボルボアマゾンである。もしかしたら今まで運転した中でもっとも古いモデルかもしれない。

画像: 前オーナーは屋根付きガレージで保存していたため外はとても綺麗だ。オリジナル状態が維持されている。

前オーナーは屋根付きガレージで保存していたため外はとても綺麗だ。オリジナル状態が維持されている。

ヴィンテージと言ってもいいこうしたクルマは、とても貴重なモデルであることはわかるし、今回はマニュアルトランスミッション車ということもあり運転する前はそれなりに緊張もしたが、エンジンに火を入れてクラッチを繋ぐと、いとも簡単に走り出すことができたのだ。

ETC車載器も装備されていたので、それこそなんの苦労もなく高速道路も走る。もちろんメーターやスイッチ類もすべて機能するので、まるで70年代にタイムトリップしたようなひとときを楽しむことができた。うん、こうしたカーライフも悪くない。

画像: クラシックカーの趣があるインパネ。計器類など当然すべて動く。

クラシックカーの趣があるインパネ。計器類など当然すべて動く。

エンジンも各機関もしっかりリフレッシュされている2台

今回試乗できたのはボルボクラシックガレージがリフレッシュプログラムを施した122Sアマゾン(70年型)、と240ワゴン(93年型)である。こうして並べると240ワゴンは90年代のモデルなのでずいぶんと新しいと思ってしまうかもしれないが、それでも26年前のクルマだ。

画像: エンジンはとても元気に動いてくれた。高速道路でもまわりのスピードに合わせて走ることができた。

エンジンはとても元気に動いてくれた。高速道路でもまわりのスピードに合わせて走ることができた。

古いクルマを長く持ち続けるには、日本は恵まれた環境とは言い難い。自動車税は高くなるし、なかなか〝価値どおり〞の車両保険に入ることもできない。それでもこうしたクルマはとても魅力的であり、そんなライフスタイルに憧れることもあるのだが、実は今、旧車の価格が異常と言ってもいいほど高騰しているのだ。そのようなことが世界中で起きていて、スカイラインGTRやホンダNSXなどの中古車に目の飛び出るようなプライスが付けられている。気軽に手が出せる世界ではない。

画像: 全長は4450mm、全幅1619mmと今から考えるとてもコンパクトなボディサイズだ。スタイルもカラーも美しい。

全長は4450mm、全幅1619mmと今から考えるとてもコンパクトなボディサイズだ。スタイルもカラーも美しい。

話をアマゾンに戻そう。今回試乗できた個体は走行距離万のワンオーナー車だ。このクルマの外装はとても綺麗だったが、それは前オーナーが屋内ガレージで保管していたからだという。スリーサイズは、全長4450mm、全幅1619mm、全高1505mm。車両重量は1470kgである。今では、ずいぶんコンパクトなモデルだ。搭載するのは排気量1986ccの水冷4気筒OHVのB20B型エンジンで最高出力118ps/5800rpm、最大トルク17.0kgm/3500rpmを発生する。 

画像: ステーションワゴンのボルボというイメージを日本で強く印象付けたモデルがこの240エステートである。

ステーションワゴンのボルボというイメージを日本で強く印象付けたモデルがこの240エステートである。

もう一台の240ワゴンは、全長4790mm、全幅1720mm、全高1450mm。搭載するのは排気量2316cccの水冷4気筒SOHCのB230F型エンジンで最高出力115ps/4900rpm、最大トルク18.9kgm/2750rpmを発生、車両重量は1585kgである。こちらもワンオーナーという優良車両だ。

この2台を仕上げたクラシックガレージは、旧いボルボを愛してくれるオーナーへ感謝をこめてボルボカージャパンが2016年8月に開設した。日本で販売したFRのボルボを取り扱い、そして旧いボルボ車のリフレッシュの相談に乗ってくれるところだ。

ところでこうした車両の値段が気になったという読者もいるだろう。興味が湧いたならぜひともクラシックガレージに問い合わせて欲しい。ここでは旧車のリフレッシュとともにクラシックボルボの販売もしているのだ。価格は納得のできるもので前出のような異常とも思える額ではないと思う。

画像: エステートのボルボを印象付けた240。いまだにこのスタイルが好きだというファンも多い。

エステートのボルボを印象付けた240。いまだにこのスタイルが好きだというファンも多い。

ちなみにこれまでに850T5R(95年型)、240GLワゴン(91年型)、960SX(93年型)、780クーペ(90年型)など13台の販売実績がある。クラシックボルボの主治医と言ってもいいクラシックガレージは、これからもますます注目度がアップすることだろう。

■試乗車概要
【122S AMAZON 1970MY】
エンジン:B20B型 水冷4気筒OHV 1986cc SUキャブレター 最高出力:118ps/5800rpm 最大トルク:17.0kgm/3500rpm 全長×全幅×全高:4450×1619×1505mm 車両重量:1470kg ワンオーナー 350,000km走行車両
【240 WAGON TACK 1993MY】
エンジン:B230F型 水冷4気筒SOHC 2316cc ボッシュ LH2.4ジェトロニック 最高出力:115ps/4900rpm 最大トルク:18.9kgm/2750rpm 全長×全幅×全高:4790×1720×1450mm 車両重量:1585kgワンオーナー トランスミッション交換済み

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