予選タイムは拮抗、決勝では波乱の予感も
F1第3戦中国GP予選は、メルセデスAMGのボッタスとルイス・ハミルトンがフロントロウを独占。その後ろにフェラーリの2台、レッドブル・ホンダの2台が並ぶ、一見順当な結果に見えるが、Q3最後のセッションでちょっとした事件が起きた。
予選最後のアタック前の周回でフェルスタッペンはルクレールとヴェッテルの間のいい位置で走行していたが、ヴェッテルにパスされてしまう。そこでヴェッテルとの間隔をとろうしているところでルノーの2台にパスされてしまい時間をロス。最後のアタックラップに間に合わず、チェッカーフラッグを受けてしまうことになったのだ。このことがピエール・ガスリーにも影響を及ぼし、結局、レッドブル・ホンダは2台とも最後のアタックができなかった。
予選終了後、マックス・フェルスタッペンは「Q3最後の走行時には、周りのマシンもアタック待ちで並んでいたので、僕も前方にいたフェラーリのマシンの後ろにとどまっていました。予選最後のアタックへ向けて準備を整えているときには、他のマシンのためを思うと、コース上で追い抜くような真似はすべきでないと思っています。ただ、今回はアタックラップ直前というところで自分がそのようなことをされる立場になってしまい、最後のアタックをすることができませんでした。結果5番手にはなりましたが、当然これには納得がいきませんし、最後のアタックをするチャンスを失いました。これは別の機会に他のドライバーにも起こりえますし、それによってそのドライバーが有利になることになるのですが、3番手をかけて戦っている最中にこういうことが起きて、腹立たしい思いです。Q3で最後のアタックができなければ、アタックに成功したライバルに上を行かれるのは当然ですし、それが実際に起こりました。もう起こってしまったことですし、どうしようもないですが、これによって明日のレースはさらに面白くなるでしょう。僕らのレースペースはいいですし、優勝に届くほどかはまだ分かりませんが、表彰台を目指して戦うことはできるはずです」と語っている。
予選のもうひとつのポイントは、予選トップ5のドライバーが決勝のスタートタイヤを決めるQ2でのベストタイムをミディアムタイヤで記録したこと。これに関して、ピレリは「ハードタイヤとミディアムタイヤのタイム差はラップ約0.7秒、ミディアムタイヤとソフトタイヤの差は約1.1秒。我々のシミュレーションではソフトタイヤでスタートし、19周目にハードタイヤに交換しそのまま走り切るのが最速の戦略と考えています」としている。
こうなると6番手からソフトタイヤでスタートするガスリーに注目が集まるが、ガスリーも「トップ5とは異なるタイヤ戦略がうまくいくことを期待しています。ソフトタイヤのデグラデーションには苦しむと思いますが、ここでは何が起こるか分かりません。昨年はリカルドが予選6番手から優勝していますし、予選でも最終アタック時に混乱が起きています。スタートポジションはいいですし、明日に向けてワクワクしています」と意欲を見せている。
トロロッソ・ホンダでは、ダニール・クビアトはわずか0.022秒差で惜しくもQ3進出を逃して予選11位。アレクサンダー・アルボンはFP3でクラッシュしたためシャシを交換。予選は不参加となっている。
2019年F1第3戦中国GP予選
1位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) 1’31.547
2位 44 L.ハミルトン (メルセデスAMG) 1’31.570
3位 5 S.ベッテル(フェラーリ) 1’31.848
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ) 1’31.865
5位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 1’32.089
6位 10 P.ガスリー(レッドブル・ホンダ) 1’32.930
7位 3 D.リカルド(ルノー) 1’32.958
8位 27 N.ヒュルケンベルグ(ルノー) 1’32.962
9位 20 K.マグヌッセン(ハース) 1’33.150
10位 8 R.グロージャン(ハース) 1’33.156
11位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ) 1’33.236
23 アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ) 予選不参加