新車でも中古でも、購入したばかりのクルマにはいくつものステッカーが貼られている。保管場所や車検、燃費基準など意味するものは様々だが、そのすべてが必要というわけではないという。どのような意味があるのか、はがしていいのか、モータージャーナリストの近藤暁史氏に聞いた。

自分でステッカーを貼る場合には注意が必要だ!

クルマにはさまざまなステッカーが貼られているし、自分で好みのものを貼ることもある。決まった場所があるのかな、くらいでなんとなく見ていることが多いが、実際のところ、規定や罰則などはあるのだろうか。

まず、定められているものの筆頭格はフロントウインドウの車検ステッカーだろう。正式には「検査標章」と呼ばれ、貼らないのはダメ(民間車検などでシールが即発行されない場合は「保安基準適合標章」と呼ばれる書類で代用可)。貼らないと罰則もあって、50万円以下の罰金となるので、けっこう重たい罪だ。

場所は内側かつ見やすいところという曖昧な規定ではあるが、そもそも車検シールも含めて、フロントガラスに貼っていいのは上端から全体に対して20%の範囲のみ。視界を遮らない場所とも定められているので、自然と真ん中あたりという一般的な位置に決まってしまうわけだ。

画像: 検査標章は剥がしてはいけないもの。貼らないと罰則もある。

検査標章は剥がしてはいけないもの。貼らないと罰則もある。

次にリアへと回ってみると「保管場所標章」が、目立つ存在だ。これは車庫証明を取得した際にもらえるもので、保管場所である駐車場を確保している証なのだが、表示義務はある。具体的な場所としてはリアウインドウや後席両端であればいいとされ、実際に見てみるとクルマによってバラバラだ。

ただ、貼っていないクルマがあったり、剥がさずに以前の保管場所のものがそのままのこともあるのは罰則規定がないため。車検時においてもチェックはされない。

画像: 保管場所標章の表示義務はあるものの、貼っていないからといって罰則はない。

保管場所標章の表示義務はあるものの、貼っていないからといって罰則はない。

そして、公的なようにも見えるし、すべてのクルマが貼っているわけでもなかったりと、とても曖昧なのがフロントガラスの左端(右ハンドルの場合)に貼られている「点検整備済」のステッカーだ。結論から言うと、表示義務はなく、罰則ももちろんない。国や警察も推奨している程度のものだ。

なぜ貼られるかというと、国の認証工場で定期点検を受けた証だから。裏に点検した整備工場が明記されているのはこのためだ。わざわざ剥がすものでもなく、貼ってある分にはいいステッカーと言っていいだろう。

画像: 点検整備済ステッカーに表示義務はない。

点検整備済ステッカーに表示義務はない。

そのほか、公的なものではリコール対応済みのステッカーがある。以前であればリアガラスに貼られていたが、平成19年以降は運転席のドアを開けたところ。空気圧の指定ステッカーと並んで貼られるようになった。

そのほか、燃費基準と低排出ガス車のステッカーも目立つ存在で、環境省などによって作られたものではある。これらは点検整備ステッカー同様に剥がしても罰則規定はないものの、剥がす必要もないものではある。

画像: 燃費基準と低排出ガス車のステッカー。剥がすときに道具でガラスを傷つける可能性もあるので、要注意だ。

燃費基準と低排出ガス車のステッカー。剥がすときに道具でガラスを傷つける可能性もあるので、要注意だ。

ここまでが多くのクルマに貼られている公的、準公的なステッカー。以前であれば、無鉛/有鉛/高速有鉛の使用燃料指示や排ガス規制対応のアイドリング調整などについても貼られていたが、現在では貼る意味自体が消滅したため、廃止されている。

そして、自分でステッカーを貼る場合の規定を見てみよう。最初にフロントウインドウは上から20パーセントの位置と紹介したが、実はこれは車検ステッカー、点検整備ステッカー以外では、ルームミラー、ドライブレコーダー、そしてETCやナビのアンテナだけ。つまり買ってきた好みのステッカーや自作のカッティングシートはダメなのだ。

サイドはリア3面についてはなにを貼ってもいいが、運転席の両側は基本的になにも貼ってはいけない。最近は例外があって、セキュリティやイモビライザー搭載のステッカーは細かいサイズの規定はあるものの、貼っていいことにはなっている。

ステッカーはオーナーの個性を表現する存在ではあるが、視界を遮ったりすることもあるだけに細かい規定が定められている。なんでもいいから貼ってしまおうというのはくれぐれも謹むようにしよう。(文:近藤暁史)

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