2019年5月4日に行われたスーパーGT選手権第2戦で、 レクサスLC500(38号車ZENT CERUMO LC500)がGT500クラス総合優勝を飾った。優勝候補と言われたニッサンGT-R勢をいかにして制し、勝利をものにしたのだろうか。

38号車LC500と23号車GT-Rによる行き詰まる首位争い

勝敗を分けたポイントのひとつは天候にあった。この週末は天候に恵まれ、前日に行われた予選ではニッサンGT-R(23号車 MOTUL AUTECH GT-R)がコースレコードでポールポジションを獲得。38号車ZENT CERUMO LC500は予選7番手となった。

ところが、決勝レーススタート直前に天候が急変、路面はウェットコンディションになり、セーフティカー先導でレースは開始されることになる。

2周を終えたところでバトルを開始、7番手スタートの38号車LC500は好スタートを切って4番手に進出する。その後、雨が強くなり、15周目にレースは赤旗中断。30分ほどの中断を経て午後3時30分過ぎにレースが再開されると、ここから38号車LC500、23号車GT-R、37号車KeePer TOM'S LC500、12号車カルソニックIMPUL GT-Rなどによる激しい上位争いが繰り広げられていく。

その後、路面は乾いていき、各車1回目のピットインを終えた後、38号車LC500が59周目にトップに立つ。今回のレースは通常より長い500km、周回数は110周におよび2回のピットインが義務付けられているのもひとつのポイントだ。

78周終了時点で首位を行く38号車LC500が2度目のピットイン。このピットのタイミングで23号車GT-Rにかわされて2位にドロップするも、その差をじりじりと詰めて、残り15周でテールトゥノーズの状態に持ち込む。

38号車LC500の立川祐路と23号車GT-Rのクインタレッリによる行き詰まる首位争いが数周にわたって繰り広げられたが、立川が残り12周、99周目についに逆転。結局、38号車LC500は2位に約20秒もの大差をつけて優勝することになった。レース終盤には路面温度が急激に下がったことも、異なるタイヤを装着していた2台の戦いに大きく影響していたようだ。38号車LC500のタイヤは温まりが遅いが、熱が入ると安定した速さを発揮した。

レース後、トップチェッカーを受けた 38号車 ZENT CERUMO LC500の立川祐路は「富士で勝たなくてどこで勝てるんだという思いで臨んでました。最初から最後まで気の抜けないバトルの連続でした。昨日の予選がタイヤ選択などが上手く行かなくて中団グリッドに沈み、今日は微妙なタイミングでの雨でどうなるか分からない状況でしたが、スタートで前に出られたのは大きかった」とコメント。石浦宏明も「とにかくほっとしています。ホームコースですし、僕らも得意のサーキットなので、絶対にここで結果を残すという気持ちが2人とも走りに出せたかなと思います。」と語っている。

次戦第3戦は5月25日-26日、鈴鹿サーキットで行われる。

画像: 優勝した38号車 ZENT CERUMO LC500、立川祐路(左)と石浦宏明。

優勝した38号車 ZENT CERUMO LC500、立川祐路(左)と石浦宏明。

スーパーGT選手権第2戦 GT500クラス

1位 38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明)
2位 23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
3位  1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)
4位 39 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
5位 17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バケット)

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