独特のシフトパターンを持つ
アストンマーティン・レーシングがヴァンテージGTEで参戦するFIA世界耐久選手権スーパーシーズンの第7戦「スパ・フランコルシャン」で発表されたヴァンテージAMRは、マニュアルトランスミッションでなければ実現することができない、ドライバーとクルマの一体感を実現するモデルだ。
心臓部には、アルミ製4.0リッター・ツインターボV8エンジンを搭載。理想的な重心と50:50の前後重量配分を実現するため、フロントミッドに搭載されたこのエンジンは、510ps/6000rpmの最高出力と625Nm/2000-5000rpmの最大トルクを発生、0→100km/hをわずか4秒で加速する。最高速度は既存のヴァンテージと同じ314km/hとなる。
搭載される7速MTは、イタリアのグラツィアーノ社がモータースポーツからヒントを得て開発したもの。このトランスミッションは、“ドッグレッグ”と呼ばれる独自のシフトパターンを特徴としているという。
1速ギアが左手前に設置されたこの独特なシフトパターンの大きな利点は、走行中に頻繁に使用する2速~7速ギアをダブルHパターンに配置できること。MT車ならではの運転する悦びやクルマとの一体感を実現するため、ヴァンテージAMRのトランスミッションには、LSDが組み合わされている。
また、「AMSHIFT」と呼ばれる機能を採用。ドライバーによる選択が可能なこのシステムは、クラッチ/シフトポジション/プロペラシャフトの各センサー情報と精妙なエンジンマネージメントプログラムを組み合わせることにより、ヒール&トゥによるシフトダウンを完璧に再現。さらに、AMSHIFTは、フルスロットル状態でシフトアップする際に、最大限のスムーズさを実現すると同時に、加速の中断を最小限に抑える。
車両価格は、149,995ポンド(英国)、184,995ユーロ(ドイツ)、184,995ドル(米国)となる(日本円で約2050万円)。
200台が限定販売されるヴァンテージAMRの販売が終了した後も、ヴァンテージには2020年第1四半期からマニュアルトランスミッションが引き続きオプション設定される予定だ。