187周目のリスタート時にはするすると5番手まで復帰
予選14番手の佐藤琢磨は、序盤は無理することなく順調に周回、上位の最初のピットインで36周目にトップに浮上したが、その直後に行ったピットストップでホイールが確実に装着されず、その確認のために2周後にもう一度ピットに向かうことになってしまう。
これで31位まで順位を大きく落としラップダウンとなってしまうが、チームはラップダウンを挽回するお手本のような作戦(ピットインのタイミングをトップと少しずつずらしてコーションをうまく捉える)で、ゴールまで60周を切ったところでリードラップに復活。そして、176周目には上位のピットインによりついに2度目のトップに立つことになる。
そして、その直後の178周目、セバスチャン・ブルデー(デイル・コイン)とグラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が接触。3台がこれに巻き込まれレースは一時赤旗中断となる。
この後、最後のリスタートでするすると5番手まで復帰した琢磨は、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)とエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)を見事な走りでオーバーテイク。しかし、トップの2台(シモン・パジェノー、アレクサンダー・ロッシ)には追いつくことができず、3位でゴールした。
レース後、佐藤琢磨は「最初のピットストップで右リアホイールがしっかりと装着されてなくて、ピットに戻ってチェックしました。これで周回遅れになりましたが、500マイルのレースなので、あきらめませんでした。リードラップに戻るまでに100ラップ以上かかりましたが、チームが作戦を駆使してそれを実現してくれて、最後の15周ほどはとてもエキサイティングなバトルを戦うことができました。後ろの順位を走っている間にトラフィックの走りをトライし、それを活かして戦いました。レース再開時に5番手で、そこから2台をパスしました。前にはロッシとパジェノーの2人しかいなくなりましたが、彼らをオーバーテイクするところまではいきませんでした。おめでとう、パジェノー。彼はウイナーとなるにふさわしい走りをしていました」と勝者を讃えた。
第103回インディアナポリス500マイルレース決勝
優勝 22 S.パジェノー C
2位 27 A.ロッシ H
3位 30 佐藤琢磨 H
4位 2 J.ニューガーデン C
5位 12 W.パワー C
6位 20 E.カーペンター C
7位 19 S.フェルッチ H
8位 28 R.ハンター-レイ H
9位 14 T.カナーン C
10位 25 C.デイリー H
C:シボレーエンジン搭載、H:ホンダエンジン搭載