いまのトロロッソ・ホンダには予選での不利を挽回する力がある
モナコGPでダブル入賞(7位と8位)を果たしたトロロッソ・ホンダは、カナダGPではさらに上の順位でのフィニッシュを狙っていた。
それだけの速さを身につけつつあるが、中団グループは激戦となっており、カナダGPでは流れが悪く、フラストレーションが溜まる結果となってしまった。しかし、それでもクビアトが10位に入賞、ヨーロッパラウンドに向けてのいい流れを作ってレースを終えている。
クビアトは予選Q2でのケヴィン・マグヌッセンのクラッシュにより最後のアタックができず予選12番手となったことで、レースマネージメントが大きく狂ってしまった。それでも決勝スタートでライバルのペナルティにより10番グリッドに昇格すると、レースを新品のミディアムタイヤでスタートし、12周目に新品のハードタイヤにチェンジ。粘り強い走りで上位を追いかけ、残り2周でカルロス・サインツ(マクラーレン・ルノー)をパスして10位入賞を果たしている。
クビアトは「とても楽しいレースでした。終盤11番手を走っていましたが、ポイントを獲得できずレースを終えるのはどうしても避けたかった。サインツとはよく限界ギリギリのバトルになり、いつも楽しんでいますが、最終的にオーバーテイクできるのはいい気分です。決勝ではマシンのポテンシャルすべてを引き出すことができたので、結果にとても満足しています」とレース後、語っている。
チームメイトのアレクサンダー・アルボンはさらについてなかった。クビアトと同様、予選Q2での赤旗中断を受けて予選14番手となったことが痛かった。これで想定していたレース戦略をあきらめざるをなくなった。
決勝は13番グリッドから新品のミディアムタイヤでスタートしたが、レース1周目の他車との接触でフロントウイングを失ない、大きくポジションダウン。すぐにフロントウイングを交換し、タイヤを新品のハードタイヤに履き舞えてレースに復帰したが、ハードで58周を走り、レース残り11周となったところで入賞の可能性がなくなり、残念ながらリタイアした。
アルボンは「今日の決勝はとても厳しい一戦になりました。スタート直後にフロントウイングのダメージを負った時点で、僕のレースはほとんど終わってしまいました。その後ロングランを試してみましたが、正直なところ、もあまりペースがよくはなかったので、原因を解明しなければなりません」とコメントしている。