トヨタMR-Sをベースに、シャシとボディの一部を組み立てた段階でラインから抜いて、そこから1台ずつ手作りされたのがモデリスタ カセルタ。 “完売しても儲からない”と言われたものの、設定された150台には届かず、非常にレアな存在となっている。

オーナーの栄誉はわずか150名しか手にできず

2000年6月20日、モデリスタ(現トヨタモデリスタインターナショナル)創立3周年を記念して150台限定で発表されたのが「カセルタ」だ。MR-Sをベースに、外板パネルを一新。内装にもこだわりの仕様を用意した。MR-Sが可憐な少女なら、カセルタはまるで成熟した大人の女性を連想させる色気を漂わせるグラマラスなコンプリートカーだった。

画像: ボディ外板や灯火類をオリジナルデザインに換装。全長は155mm長く、145mm幅広い。オリジナルのMR-Sよりふた回り大きい。

ボディ外板や灯火類をオリジナルデザインに換装。全長は155mm長く、145mm幅広い。オリジナルのMR-Sよりふた回り大きい。

画像: こちらがベース車のMR-S。5ナンバーのライトウエイトMRスポーツだった。

こちらがベース車のMR-S。5ナンバーのライトウエイトMRスポーツだった。

ちなみに車名の「カセルタ」とは、18世紀に建立されたイタリア南部の王宮に由来する。ゆえに、クラシック アルファロメオを思わせるフロントマスク、フェラーリの官能的なラインを再現したかのようなリアセクション、そして強い抑揚のあるラインで構成されたサイドビューなど、そこかしこに散りばめられた肉感的な曲面が、かつてのイタリアンスポーツを彷彿とさせた。この魅惑的なデザインを担当したのはMODIという日本のデザイン会社だった。

サイズはMR-Sより155mm長く、145mmも幅広い堂々たる3ナンバーカーだ。ただ、車重は軽快感をスポイルしないようにボディパネルにカーボンファイバーを多用することで、40kg増の1010kgに押さえ込まれていた。

画像: 抑揚を付けたリアまわりにMR-Sの面影はなし。

抑揚を付けたリアまわりにMR-Sの面影はなし。

足回りは、フロント205、リア215サイズの45偏平16インチタイヤと専用チューンの20mmローダウンサス(販売店オプション)の組み合わせで、地を這うスパイダーのイメージを強調している。

画像: タイヤ&ホイールをワンサイズアップ。20㎜ダウンのサスペンションはディーラーop.だった。

タイヤ&ホイールをワンサイズアップ。20㎜ダウンのサスペンションはディーラーop.だった。

販売されたのは、外装だけを変更した標準仕様(350万円)と、インテリアのカラーコーディネートまで含むラグジュアリー仕様(388万円)の2種。38万円の価格差はあるが、タンカラーの本革張りシートや本革製ドアトリム&アームレストが付くラグジュアリー仕様は、本場イタリアンスポーツに負けないゴージャスな雰囲気を漂わせる。

画像: インストパネルの造形にMR-Sの面影を残す。写真はタンカラーの本革シートやドアトリムが採用されたラグジュアリー仕様。

インストパネルの造形にMR-Sの面影を残す。写真はタンカラーの本革シートやドアトリムが採用されたラグジュアリー仕様。

2000年6月に発表され、同年9月から150台限定で全国のネッツ店およびモデリスタで発売されたカセルタ。希少価値ビンビンのスタイリッシュなコンプリートスポーツカーがこの価格で販売されたなんて、今ではとても考えられない。ちなみに第2弾としてザガートのデザインを採用したVM180ザガートも限定100台が企画・販売された。こちらはエンジン(吸排気系)もライトチューンされ15psアップの155psに。生産は当時のTRDが担当していた。

あの限定車は凄かったのバックナンバー

モデリスタ カセルタ 主要諸元

●ボディサイズ:全長4040×全幅1840×全高1235mm
●車両重量:1010kg
●乗車定員:2名
●エンジン型式・形式:1ZZ-FE・直4DOHC
●エンジン総排気量:1794cc
●エンジン最高出力:140ps/6400rpm
●エンジン最大トルク:17.4kgm/4400rpm
●駆動方式:MR
●サスペンション形式:前・後ストラット
●ブレーキ形式:前後Vディスク
●タイヤサイズ:前205/45R16  後215/45R16

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