昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。今回は昭和54年発売のホンダ シビック 1500CXだ。

初代シビックRSの後を継ぐFFスポーツ

ホンダ シビック 1500CX:昭和54年(1979年)7月発売

画像: 先代を踏襲したスタイリング。3ドアCX-Sのテスト値で、最高速度は150.31km/h、0→400m加速は17.82秒を記録している。

先代を踏襲したスタイリング。3ドアCX-Sのテスト値で、最高速度は150.31km/h、0→400m加速は17.82秒を記録している。

コンパクトなボディに強力なパワーユニットという点では、昭和54年(1979年)の7月にフルモデルチェンジを受けて登場した2代目のシビックに設定されたCXもまた、相当に魅力のあるモデルであった。

全長×全幅×全高がわずかに3870×1580×1350mmというコンパクトなボディ、780kgの軽量な車重は活発な走りの原動力となり、さらに搭載されたEM型 1488cc直列4気筒SOHCエンジンは、他のグレードのものよりバルブタイミングを変更して、最高出力85ps/5500rpmを発揮する極めて高性能なものであった。そのパフォーマンスは、先代シビックの1200RSを彷彿とさせた。

画像: リアビューの雰1978年に発売されたプレリュードと同じモチーフのインパネ。CXはステアリングもプレリュードと同じ形状の4本スポークだ。囲気も先代と似ている。CXは3ドアのみの設定だった。

リアビューの雰1978年に発売されたプレリュードと同じモチーフのインパネ。CXはステアリングもプレリュードと同じ形状の4本スポークだ。囲気も先代と似ている。CXは3ドアのみの設定だった。

もちろん小型2ボックス車の基本である、実用性の高さも健在だ。FWDの駆動方式を採用したことで、キャビンのフロア面は低く平坦にまとめられ、リアシートまわりでもその余裕は相当に強く感じられた。

組み合わせられたトランスミッションは5速MTで、ファイナルレシオを他のグレードより大幅に下げている。ブレーキはフロント側にサーボアシストを備えるディスクタイプが採用され、サスペンションも強力なパワーに対応するために、他のグレードとはセッティングの異なるハードタイプが使用された。リアにスタビライザーが備えられたのも、この1500CXの大きなメカニズム上の特徴とされている。

画像: CX用のEM型エンジンは他の1.5Lモデルのものよりバルブタイミングを変更して85psとしている。

CX用のEM型エンジンは他の1.5Lモデルのものよりバルブタイミングを変更して85psとしている。

1500CXの走りの素質はレースシーンでも着目された。ワンメイクレースを中心に日本中のサーキットで1500CXは大活躍した。

「ワンメイクレース」という言葉を一躍全国区にしたのが、この2代目シビック 1500CXだった。先代のRS、RSLの後継モデルだが、ホンダが本気でレースのエントリーカーとして育てたクルマといえる。

シビック CXの成功で、他メーカーも続々とスポーツハッチバック市場に追従してきた。これ以降シビックは、“ワンダー”、“グランド”、そして1991年に発売された“スポーツ”と、歴代モデルにはレース対応バージョンが存在した。その血統は、現在まで続くタイプRに受け継がれている。

画像: リアビューの雰囲気も先代と似ている。CXは3ドアのみの設定だった。

リアビューの雰囲気も先代と似ている。CXは3ドアのみの設定だった。

シビック 1500CX 主要諸元

●全長×全幅×全高:3870×1580×1350mm
●ホイールベース:2250mm
●重量:780kg
●エンジン型式・種類:EM型・直4 SOHC
●排気量:1488cc
●最高出力:85ps/5000rpm
●最大トルク:12.3kgm/3500rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:155SR13
●価格:95万7000円

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