マイルドハイブリッドでパフォーマンスと効率を改善
RS7スポーツバックは、アウディの5ドアクーペであるA7スポーツバックをベースにしたハイパフォーマンスモデルだ。A7は2018年に2世代目にフルモデルチェンジされており、これを追うようにRS7スポーツバックも2世代目へ進化した。
エクステリアデザインでは、全幅は40mm近く拡大され1950mmとなった。基本的なボディはA7スポーツバックと共有しているが、ボンネット、ルーフ、フロントドアとテールゲート以外に共通パネルはない。RS専用のエクステリアデザインにより、全長は5009mmに拡大されている。
LEDヘッドライトを標準装備し、RS専用の立体的なハニカム構造のラジエターグリルはグロスブラックに仕上げられ、サイドではドアシルがブラックインレイを備えたRS専用のものとなっている。ダイナミックターンシグナルを備えたテールライトはライトストリップで繫げられ、車速が100km/hを超えるとテールゲートからスポイラーが展開する。
搭載されるエンジンは、441kW(600hp)と800Nmを発生する4.0LのV8ツインターボだ。800Nmの最大トルクは2050-4500rpmという幅広い回転域で発生する。0-100km/h加速は3.6秒、最高速度は電子的に制限される250km/hだが、ダイナミックパッケージでは280km/hに、ダイナミックプラスパッケージでは305km/hになる。それでもEU複合モード燃費は8.6〜8.8km/Lに抑えられている。
このエンジンは、48Vの主電源システムを備えたマイルドハイブリッドシステム(MHEV)により、最大のパフォーマンスと高い効率を兼ね備えている。ベルト駆動式のオルタネータースターターは、減速時には最大12kWの電力を回生してリチウムイオン電池に供給する。
運転状況やドライブモードによって、ドライバーがアクセルから足を離すと、エネルギーを回生するか、エンジンを停止してコースティング(惰性走行)する。また22km/h未満の速度ならアイドリングストップもする。このMHEVテクノロジーにより、100kmの走行で最大0.8Lの燃料消費を削減できる。このエンジンはシリンダーオンデマンド システムも備え、エンジンが低負荷の場合は4気筒を休止する。
組み合わされるトランスミッションは8速ティプトロニックで駆動方式はもちろんクワトロ4WDシステム。平常時は機械式センターデフにより前40:後60で駆動力を配分するが、1輪がスリップすると前に最大70%、後ろに最大85%のトルク配分ができる。
サスペンションは前後とも5リンク式で、リンケージとサブフレームの大半はアルミニウム製。ダンパーコントロール付きのRSアダプティブ エアサスペンションを標準装備し、しかもRS7スポーツバック専用にチューンされている。自動車高調整機能も備え、車速が120km/hを超えると10mm下がり、また必要に応じて20mm上げることもできる。
ステアリングにはオプションで4WS機能も備えることができ、低速では逆位相に最大5度まで後輪がステアし、回転直径を1m縮小する。中速および高速では同位相に2度までステアして走行安定性を高める。タイヤ&ホイールは、275/35の21インチタイヤと10スポークスターデザインの鋳造アルミホイールが標準装備で、オプションで285/30の22インチタイヤと5Vスポークデザインのホイールも用意される。
インテリアもエクステリア同様、一切の無駄を排したデザインとスポーティなアクセントの組み合わせとなっている。インパネ上部にはMMIタッチレスポンスのディスプレイがブラックパネルのダッシュボードに組み込まれている。メーターはRSモニターディスプレイで、さまざまな情報を表示できる。オプションでヘッドアップディスプレイも装備可能だ。
フラットボトムのRSスポーツレザーステアリングには、大型のアルミニウムシフトパドルやマルチファンクションボタンを備える。シートは菱形パターンのブラックパールナッパレザーが標準で、RSエンボス加工が施されている。オプションでRSスポーツシートも選択可能だ。インテリアにカラフルなカラーやアルカンターラを採用したRSデザインパッケージも設定される。
新型A7スポーツバック同様、RS7スポーツバックもリアシートに3人掛けが用意された。従来と同じ2人掛けも設定されている。ラゲッジスペースはフル乗車時で535L、リアシートバックを倒せば1390Lまで拡大する。
なお、日本仕様の価格や導入時期に関しては、今のところ未発表だ。