これから赤ちゃんが生まれて、新しい家族が増える! と楽しみにしている読者諸氏のために、チャイルドシートについてあらためて考えてみたい。今回は、取り付け位置について。(写真はすべてイメージです)

個人的にオススメしたいのは、運転席の後ろ側

2008年6月1日以降、後席のシートベルト着用が義務づけられて、後席の中央が2点式シートベルトだった車種も、2012年7月以降に新車販売されたクルマの後席シートベルトは、すべて3点式になりました。もちろん、ミニバンの2列目、3列目のシートベルトも全席3点式シートベルトを装備しています。後席のシートベルト着用が義務付けられたことで、死亡あるいは重症を負った事故件数も減少してきています。

画像: 写真はミニバンのキャプテンシートだが、運転席の後ろへの取り付けを筆者はオススメしている。

写真はミニバンのキャプテンシートだが、運転席の後ろへの取り付けを筆者はオススメしている。

チャイルドシートの取り付け位置ですが、ママが一人で運転している場合、チャイルドシート1つであれば、個人的には運転席の後ろをおススメします。いざという時に停車したとき、車道側とはいえ、運転席から降りてすぐ後席の子どもの座っている側のドアを開けて降ろすことができるからです。また、移動中の車内でのことを考えると、運転席から振り向けば顔が見られること、停車時に手を伸ばせば子どもの水筒やお菓子を手渡せるなど、世話をしやすいという点では、助手席の後が便利です。

画像: タントは運転席のスライドが大きいので、例として助手席側の後ろに装着している。使い勝手を考えれば、助手席側の後ろでも問題はない。

タントは運転席のスライドが大きいので、例として助手席側の後ろに装着している。使い勝手を考えれば、助手席側の後ろでも問題はない。

輸入車メーカーの中には、5人乗車定員の場合、3人掛けの真ん中の席にチャイルドシートを取り付け、左右に大人が座るということを推奨しているところもあります。この場合、ISO-FIXの取り付け金具は左右席にしかないので、シートベルトを使用して取り付けるタイプのチャイルドシートに限られます。たしかに確実にしっかり取り付けられ、チャイルドシートのハーネスも正しく装着できているのであれば、衝突時に子どもの顔面にフロントシートのシートバッグが当たるという危険性は少ないように思われます。

画像: ボルボガリアシートに内蔵している、インテグレーテッド・チャイルドクッション。かつてはリアシート中央に内蔵していたが、現在は左右に2基備えることができる。

ボルボガリアシートに内蔵している、インテグレーテッド・チャイルドクッション。かつてはリアシート中央に内蔵していたが、現在は左右に2基備えることができる。

2つのチャイルドシートを取り付けるとなると、否応なしに左右に1つずつ取り付けることになります。軽自動車の場合は、もともと4人乗りなので、シートベルトを使用して取り付けるタイプのチャイルドシートだとコンパクトなサイズでないと、窮屈でシートベルトを締め付けにくく、固定しにくいかもしれません。5人乗りの乗用車だとしたら、ゆったりサイズのチャイルドシートでも2つ取り付けられますが、後席に大人がもう一人乗車するとなると、真ん中のスペースが狭くなるので厳しいかもしれません。チャイルドシートの購入時にはクルマの適合表で確認するのはもちろんですが、実際にクルマに何人乗る機会が多いのかも想定して選びましょう。

画像: 「子どもが乗っています」ステッカーには、万が一のとき子どもの存在に早く気づいてもらえるという効果がある。

「子どもが乗っています」ステッカーには、万が一のとき子どもの存在に早く気づいてもらえるという効果がある。

また、「こどもが乗っています」、「BABY IN CAR」というステッカーがありますが、もしもの時に、車内に子どもがいるということを、救急隊や駆けつけてくれた人に気づいてもらうために役立ちます。衝突事故を起こしたクルマの室内に物が散乱していて、子どもが乗っていることになかなか気づかなかったというニュースを耳にしました。子を持つ親としては、何よりも先に子どもを救助してほしいと願うものです。ステッカーによって子どもの存在をアピールできるのでしたら、効果は絶大だと思います。「チャイルドシートは後席にしっかり取り付け、ハーネスを正しく装着して子どもを乗せる」ことを親子で習慣づけて、子どもの安全を守りたいものです。(文:緒方昌子)

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