チューニングされた2Lターボエンジンは、290ps/380Nmを発生
2L以下のターボエンジンを搭載した前輪駆動の4ドア/5ドア市販車をベースに、規定に則ったチューニングを施されたTCRマシンで競われるWTCR(世界ツーリングカーカップ)は、フォルクスワーゲンやホンダをはじめ、アルファロメオやヒュンダイなどが参戦し、自動車メーカーが増え続けるなど人気レースである。
この選手権の日本ラウンドも開催され、2019年は10月25〜27日の日程で鈴鹿サーキットを舞台にレースが繰り広げられている。
FFのコンパクトスポーツ、ゴルフGTIをベースにした車両でWTCRに参戦するフォルクスワーゲンは、このレーススケジュールに合わせるように特別仕様車「ゴルフ GTI TCR」を600台限定で発売した。そのコンセプトは「WTCRに参戦するレーシングカーのストリートバージョン」で、290ps/380Nmを発生する2Lターボを搭載する。
このエンジンパワーの数値、標準のGTIと比較すると60ps/30Nmも向上しているのだが、実は4WDの上位モデル「ゴルフR」の2L TSIエンジンを専用チューニングしているのだという。7速DCTと組み合わせることで、0→100km/h加速を5.6秒で達成し、これまで日本で販売された「ゴルフGTI」の中でも最強モデルだという。
エンジンのほかにも、電子制御油圧式フロントデフや大径ブレーキディスク、欧州のエキゾーストメーカー「アクラポヴィッチ」製チタンエキゾーストシステムなど、特別装備多数を採用して運動性能を高めている。またエクステリアでは、ブラックペイントされたルーフやリヤディフューザー、サイドスカート、マットブラックの専用19インチアルミホイールが装着されるなど精悍なデザインとなってる。
インテリアにも赤のアクセントをハンドルやシフトノブ、シートなどに配置した専用のデザインとなっている。フロントドアを開けると、路面にTCRのロゴを映し出すプロジェクション機能も採用されている。
このゴルフGTI TCRは600台の台数限定で、車両価格は509万8000円となっている。
ゴルフGTI TCRの欧州試乗記はこちら
フォルクスワーゲン ゴルフGTI TCR 主な特別装備
●専用チューン2L TSIエンジン/7速DCT
●電子制御油圧式フロントディファレンシャルロック
●アダプティブシャシーコントロール「DCC」
●大径ブレーキディスク(前後輪共にベンチレーテッドディスク)
●アクラポヴィッチ製 チタンエキゾーストシステム
●専用ファブリック&マイクロフリースシート
●専用エクステリア/専用ステアリング/専用シフトノブ
●TCRロゴプロジェクション機能(フロントドアのみ)
●テクノロジーパッケージ
●デジタルメータークラスター「Active Info Display」
●ダイナミックライトアシスト/ダイナミックコーナリングライト
●ダークテールランプ/LEDテールランプ(ダイナミックターンインジケーター付)
●純正ナビゲーションシステム「ディスカバープロ」
●モバイルオンラインサービス「フォルクスワーゲンCar-Net」
●235/35R19タイヤ・8J×19アルミホイール(5ダブルスポーク)
フォルクスワーゲン ゴルフGTI TCR 主要諸元
●全長×全幅×全高:4275×1800×1465mm
●ホイールベース:2635mm
●車両重量:1420kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●排気量:1984cc
●最高出力:290ps/5400-6500rpm
●最大トルク:380Nm/1950-5300rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:FF
●車両価格:509万8000円