2020年も魅力的なニューモデルを投入。アフターサービスの充実化も
2019年もメルセデス・ベンツは世界的に好調だった。販売台数は前年比では1.3%増の233万9562台と9年連続で前年比増となり、しかも創業以来の過去最高を記録した。ラグジュアリーカーブランドでは、4年連続で首位を堅持している。しかも、本国ドイツや日本をはじめ、イギリス、フランス、韓国、オーストラリア、カナダ、南アフリカなど、16カ国のラグジュアリーカーブランドで首位となっている。
前述のように日本でも6万6523台(前年比マイナス1.5%)を販売し、純輸入車で5年連続、プレミアムブランドでは7年連続のナンバーワンを堅持した。ちなみに、傘下のスマートは1990台(前年比マイナス19.3%)だった。前年度からの落ち込みは、消費税アップと自然災害による配車遅延の影響だろう。これは、メルセデス・ベンツに限らず他のインポーターでも同様の傾向が見られている。スマートは、電動化へのシフトとモデルサイクルの関係で、落ち込みが大きかったようだ。
そして主力モデルのCクラスをはじめ、今やメルセデス販売全体の3割以上を占めるようになったAクラス ブラザーズのコンパクトモデル、輸入車ブランドとして最多の8車種を揃えたSUV、そして過去最高の8000台を超える販売を記録したメルセデスAMGと多くのモデルが好調だった。
マーケティング面でも、ブランド情報発信拠点の「メルセデス me」は今までに1000万人以上の来客があり、2019年の東京モーターショーにはコンセプトカーのビジョンEQSをはじめ14台を出展し、人気を集めた。オンラインで簡単に手続きできるレンタカーサービス「メルセデス・ベンツ レント」も全国21のスポットで好評を集め、今後も拡大予定だ。
2020年は、今のところ主力モデルのフルモデルチェンジやブランニューの登場などは予定されていないが、まずはAクラス ブラザーズのSUV、GLAとGLBが間もなく日本デビューするはずだ。また、SUVのフラッグシップであるGLS、AMGでは35シリーズの新たなモデルも予定されている。
本国でも発表されていないから噂ではあるが、Eクラスのマイナーチェンジも2020年中には行われるはずだ。メルセデス・ベンツ日本では、2020年も前年並みの販売台数(6万台オーバー)を維持するために、体制を強化していくという。
また、いままで同様ゴルフ、テニス、モータースポーツ、トライアスロンなど、さまざまなスポーツ分野へのアシストを続ける。女子プロゴルフでは、新たに稲見萠寧(いなみ・もね)選手をサポートするということだ。
前述のようなニューモデルに加え、電気自動車のEQC、ディーゼルPHEV(プラグインハイブリッド車)のE350de、そして燃料電池PHEVのGLC F-CELLといった電動車の本格配車をはじめる。また、既存のオーナーに対しても、サービスキャパシティや販売ネットワークを拡大し、アフターセールスのサービスプログラムを充実させるなど、いつまでも安心・安全なカーライフの提供を目指す。中古車販売も「メルセデス・ベンツ サーティファイド」と名称を変え、新たなユーザーの満足度を高めていく。
2020年の販売実績は、これまでのところ順調だという。輸入車ブランドでは絶対王者の地位にあるメルセデス・ベンツだが、ライバルのプレミアムブランドは、これにどう対応していくのか。今後が注目されるところだ。