前身はコルクの製造会社だった
マツダは今からちょうど100年前の1920年1月30日に「東洋コルク工業株式会社」として広島市に設立された。その名が示すとおり、当初はコルクを生産する会社だった。
1927年に社名を東洋工業株式会社に改称。初の自動車となる3輪トラックの「マツダ号」を生産開始したのは、1931年のことだった。第二次世界大戦や広島市への原爆投下など、苦難の時期を経て、1950年に初の小型4輪トラックを発売する。
社名の略称として「マツダ」が使われたのは、1960年に発売された初の4輪乗用車となったR360クーペからだった。そしてNSUやバンケル社とロータリーエンジンの技術提携を行い、1967年には初のロータリーエンジン搭載車「コスモスポーツ」を発売。
1979年にはフォード社と資本提携(2010年にほぼ解消)。1980年にはFFファミリアが大ヒットし、1984年に社名をマツダに変更。1989年に「ユーノス ロードスター」を発売し、ライトウエイトスポーツのブームを興す。1991年のル・マン24時間レースでは日本車初の総合優勝を果たす。
2002年、新ブランドメッセージ「Zoom-Zoom」を展開。2010年には次世代技術の「SKYACTIV」を発表。2017年にトヨタと業務資本提携を始め、2018年には国内生産累計台数5000万台を達成した。
・・・と、マツダ100年の歴史を駆け足で振り返ってみたが、読者諸氏にもマツダ車に思い出のある人は少なくないだろう。
創立100周年にあたり、丸本 明 マツダ代表取締役兼CEOは、「マツダは100年前にコルクの製造で創業し、その後、自動車の製造の道に進みました。今では130を超える国・地域のお客さまにマツダ車をご愛顧いただいております。長い道のりの中、良いときも、厳しいときも、お客さまをはじめ、販売会社さま、お取引先さま、ビジネスパートナーさま、地域の皆さまなど、ステークホルダーの皆さまからの支えがあったからこそ、今日という日を迎えることができました。全ての皆さまに心より感謝申し上げます。次の100年に向け、私たちは人を第一に考えた『人と共に創る独自性』を大切にしてまいります。関係する全ての皆さまとの協業や共創を強化しながら、お客さまに愛着を持っていただける独自性あふれる商品・技術・顧客体験の創造に、今後も挑戦し続けてまいります」と語った。
なお、マツダでは2020年3月に開催されるジュネーブ モーターショーにおいて創立100周年をテーマにした出展を行い、5月22日(金)から24日(日)に広島のマツダ本社で「マツダオープンデー2020」を開催する予定だ。
また、マツダ バーチャルミュージアムなどのコンテンツを充実させ、世界中のユーザーとマツダの絆を紹介する物語の投稿を募集する「マツダ 100周年サイト」も開設されている。