アルファロメオは同社の創立110周年を記念して、モータースポーツ史のレジェンドモデルといえる「ジュリア GTA」を復活させて、500台限定で発売すると発表した。

2シーター化した、よりスパルタンなGTAmも設定

画像: ザウバーF1のノウハウを生かしたエアロパーツも装着されている。

ザウバーF1のノウハウを生かしたエアロパーツも装着されている。

アルファロメオ ジュリアは2016年に同社が久しぶりに発表したFR(および4WD)サルーンだ。初代は1960年代に人気を博したスポーツセダンで、これをベースにしたクーペ(スプリント)もラインアップされた。現行型のジュリアは、初代をオマージュしてこの車名が与えられた。

2020年6月24日に創業110周年を迎えるアルファロメオは、そのルーツに立ち返る姿勢を表明し、同社の歴史においてもっとも象徴的なモデルに敬意を表し、Giulia GTA(ジュリア GTA)を復活させた。GTAとは「Gran Turismo Alleggerita」の略で、Alleggeritaとはイタリア語で「軽量化」を意味する。

画像: こちらはGTA。エアロパーツはGTAmよりも控えめなものとなっている。

こちらはGTA。エアロパーツはGTAmよりも控えめなものとなっている。

1965年に発表されたジュリア スプリント GTAは、初代ジュリアのクーペ版であるスプリントを軽量化したモデル。アルファロメオのオフィシャルレーシングチームであるアウトデルタは、このエンジンをチューンし、数多くのレースで勝利を重ねた。

今回のジュリア GTAも、まず軽量化が図られた。ドライブシャフトやボディパネルの大部分などにカーボンファイバーなどの軽量素材を使用した結果、ジュリア GTAはベース車のジュリア クワドリフォリオより約100kgもの軽量化に成功している。

画像: アルカンターラを多用したインテリア。

アルカンターラを多用したインテリア。

ダウンフォース向上のためアクティブエアロダイナミクスも徹底的に研究された。ザウバーF1のノウハウも生かされ、サイドスカート、専用リアスポイラー、アクティブ フロントスプリッターなどにそのノウハウが適用されている。アクラポヴィッチ製のチタン エキゾーストシステムはカーボンファイバー製のリアディフューザーと一体化されている。ホイールは20インチのセンターロックだ。

前後のトレッド幅は50mm拡大され、サスペンションのスプリング/ダンパー/ブッシュを新設計して、高速走行時のハンドリングを改善している。大型のフロントスプリッターとカーボンファイバー製リアウイングの採用で、空力性能は極限まで最適化されている。

ベース車でも510hpの最高出力を誇る2.9LのV6ツインターボエンジンは、540hpまでパワーアップされている。ローンチコントロールシステムのサポートにより、0→100km/h加速は、わずか3.6秒だ。

画像: GTAmはバケットシートや6点式シートベルトを装備し、リアシートを取り去った2シーターとなる。

GTAmはバケットシートや6点式シートベルトを装備し、リアシートを取り去った2シーターとなる。

インテリアでは、多くの部分に純正アルカンターラを採用した。派生モデルとしてジュリア GTAm(mはモディファイドの略)も設定され、これはリアシートを取り払った2シーターとなり、ロールバーも設置している。リアシートのあった場所には、ヘルメットと消化器を収納するアルカンターラ製のスペースが備わる。

ノーマルのGTAは4シーターでロールバーはなく、スポイラーとスプリッターのサイズは日常の使い勝手を考慮して最適化されている。ドアパネル/シート/ウインドーはジュリア クワドリフォリオと共通だ。

ジュリア GTAとGTAmは合計500台(内訳は未発表)の限定生産で、認定シリアルナンバーが付与される。オーナーにはヘルメットやレーシングセット、ウール製車両カバーなどのパーソナライズド エクスペリエンス パッケージキットが贈られ、スペシャルドライビングコースも用意されるという。だが今のところ、このGTAおよびGTAmが日本に導入されるのか、また導入された場合の価格や台数に関しては、すべて未定となっている。

画像: ジュリア GTAmはサーキットを走る姿が似合いそうだ。

ジュリア GTAmはサーキットを走る姿が似合いそうだ。

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