最新オールシーズンタイヤの優れた雪上性能を確認
横浜ゴムの冬用タイヤ試乗会が、北海道・旭川にある同社所有のテストコース「TTCH(北海道タイヤテストセンター)」で開催された。
今回の試乗会の中でもとくに楽しみにしていたのは、「ブルーアース4S AW21」の試乗だ。このタイヤはすでに欧州で販売されているオールシーズンタイヤと呼ばれるモデルで、ドライやウエット路面から雪道まで四季を通じて走れるのが特徴。これを今回初めて、圧雪路で試走することができた。
試乗車はプリウス。まずはトラクション性能を試すべくアクセルペダルに込める力を徐々に強めていくが、圧雪路での加速は上々。続いてパイロンスラロームをクリアしていくが、舵角の小さいところではスッとフロントが向きを変えて旋回性能についても想像以上に曲がってくれる。さらにフルブレーキでの制動力も思った以上に止まってくれる印象だ。つまり、圧雪路ではとくにムリをしなければ普通に走れることが確認できた。
「ムリをしなければ」とあえて書いたのは、この後にスタッドレスタイヤ「アイスガード6」にも試乗したからだ。やはり発進+加速、旋回、制動のいずれも性能も最新のスタッドレスタイヤには及ばない。しかし、それでもムリをしなければ不安なく走れる……、という意味を込めている。
突然の降雪にも対応しながら、ドライやウエット路面ではサマータイヤと同様の走りが味わえるということで、非降雪地域の人たちにはオススメできるオールシーズンタイヤと言える。
そして次にアイスガード6で新品と経年劣化品の比較を行う。横浜ゴムでは「永く効く」性能を追求しており、製造から4年後でも高い性能をキープするようなゴムの開発が行われているという。それが本当なのか、4年経過相当のタイヤと新品でアイス路面でのブレーキ性能で比較してみた。
30km/hからのフルブレーキで制動距離を比べてみるが、写真のとおりほぼ変わらなかった。正直、体感でその違いはわからないほど。実際には4年使っていればゴムが磨耗するのでその差は出てくるが、独自のシリカ配合技術により、ゴムの経年劣化だけでは性能低下が最小限に抑えられているということがわかった。(文:加藤英昭/写真:横浜ゴム)