大ヒットモデルのアルファード/ヴェルファイアとは異なるスタンスのフルサイズワゴンが新登場。6人乗りの広大さは格別。(Motor Magazine 2020年4月号より)

6人乗りと8人乗りの2タイプをラインアップ

トヨタから新たにデビューした大型ワゴンモデル「グランエース」。そのボディサイズは全長が5.3m、全幅と全高がともにほぼ2mという、いわゆるフルサイズワゴンに属するモデル。2019年の「第46回東京モーターショー2019」に参考出展されて興味を持ったのだが、実際にドライバーとしてハンドルを握り、パッセンジャーとしても乗ってみた印象は、「これは売れるな」というものだった。

グランエースには4列シート8人乗りのGと、3列シート6人乗りのプレミアムが用意される。その長いボディ全長のおかげで、8人乗りのGで4列目シートに座っても窮屈ではないし、6人乗りのプレミアムにいたっては、2列目シートだけでなく3列目シートでも、とてもたっぷりとした空間が用意されている。この広さが生み出してくれるゴージャスな感覚は、他のモデルではなかなか味わえないものだと思う。「大きなことは良いこと」という価値観との親和性も高い。

画像: ビジネスユースはもちろんのこと、オーナーカーとしても活用したいと思う人は少なくないだろう。威風堂々たる存在感。

ビジネスユースはもちろんのこと、オーナーカーとしても活用したいと思う人は少なくないだろう。威風堂々たる存在感。

ベースとなっているのは海外仕様のハイエースだが、乗用車としての快適性と車格のイメージを実現するためにエンジン位置をキャビン下から前部に出して、エンジンルームとボンネットを備えたデザインとされた。駆動方式はエンジン縦置きのFRで、2.8L直4ディーゼルターボエンジンと6速ATが組み合わされる。なお、4WDモデルやハイブリッド仕様は、現時点では設定されていない。 

低回転から力強いパワートレーンのおかげで、2.7トン強という車重ながらもその走りっぷりはスムーズ。周囲のクルマの流れに滑らかに乗れる。各ピラー部とアンダーボディを環状骨格構造にすることなどで高剛性ボディを実現したというが、なるほど乗り心地にも重厚感があり、最後列シートでも納得できた。上位モデルのプレミアムでは、標準仕様でスライドドアに合わせガラスが装備されることもあり、車内の静粛性も悪くない。

また、小回り性能の高さにも驚かされた。3.21mという長いホイールベースながら最小回転半径は5.6m。余裕があるボディ全幅により前輪の切れ角を大きく確保できているのだ。見切りの良いボディデザインと相まって、運転しやすい。多様なユーザー層へのアピール力を備えた、新モデルの登場だと言えるだろう。(文:香高和仁)

画像: プレミアムのリア用4座に装備されるエグゼクティブパワーシート。

プレミアムのリア用4座に装備されるエグゼクティブパワーシート。

■トヨタ グランエース プレミアム主要諸元

●全長×全幅×全高=5300×1970×1990mm
●ホイールベース=3210mm
●車両重量=2740kg
●エンジン= 直4DOHCディーゼルターボ
●総排気量=2754cc
●最高出力=177ps/3400rpm
●最大トルク=450Nm/1600-2400rpm
●駆動方式=FR
●トランスミッション=6速AT
●車両価格(税込)=650万円

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