ホイールサイズの見方は難しい?
ホイールはクルマの重要パーツのひとつなのはご存じのとおり。タイヤが外れにくい形状とし、車体側のハブにしっかりと固定できる構造として安全性を確保している。もちろん走行性能やクルマのドレスアップにも欠かせないアイテムとなっている。言うまでもないことだろう。
とくにアルミ合金はスチールに比べて軽量で、鋳造する場合には金型を使えば比較的手軽にいろいろな形状に成形できるメリットがある。ディスク面の開口部を大きいデザインにすればブレーキディスクからの放熱性も高められるから安全性にもつながる。
かつてはスチールホイールが一般的だったが、現在はアルミホイールが普及するにつれてコストも下がり標準装着が当たり前になってきた。だが、アルミホイールならどれでもいいというわけではない。その辺のところを中心に解説しよう。
アルミホイールを構造からざっくりと見ていくとタイヤが装着されるリムと、ハブに取り付けられるディスク部に分けられる。ちなみにリムとディスク部が一体成形されたものをワンピース構造、別体で組み付けたものを結合構造(2ピース構造)という。
ホイールのサイズの見方だが、一例として6J×15 PCD100 インセット42のものを見ていこう。この場合、6がリム幅(インチ表示)、Jがフランジ形状、15がリム(インチ表示)となる。
リム幅はタイヤの太さに対応する。リム幅を広くすれば太いタイヤが履けるようになるが、対応するタイヤ幅はある程度の幅がある。たとえば幅が205のタイヤならば、7〜8(インチ)あたりが適正サイズとなる。この辺はメーカーカタログなどに掲載されているのでチェックが必要だ。
タイヤ幅に対してホイール幅が狭すぎればタイヤのトレッドセンター部分に荷重が集中して偏摩耗するし、タイヤがよれてレスポンスが悪くなる。逆に広すぎればトレッドセンター部分の荷重が抜けたり、タイヤが突っ張ってピーキーな特性となる。
後者はいわゆる「ひっぱりタイヤ」などと呼ばれ一部で好む層もいる。好みの問題だが見た目が良いと感じる人や、ぎりぎりいっぱいまでタイヤを外に出す「ツライチ」でもフェンダーと干渉しないメリットなどがあるが、適正幅でないということからはお勧めできない。
フランジ形状とはタイヤとホイールの接合部分の形だ。この形状によって主にはJとJJに分けられる。Jはフランジの高さが17.5mmでJJは18.0mmとなっている。これはデザインの好みにつながる部分でそれほどこだわらなくてもいいだろう。15で現されているリム径は、装着するタイヤの内径のインチ数と合わせる必要がある。
続くPDCはピッチサークルとも呼ばれ、リムを取り付けるボルト穴の中心から対角線のボルト穴の中心までの距離を示している。外国車を含めると多くのサイズがあるが、一般的には小型車のPCDは小さく、大型車は大きい。国産車では100か114.3の2種類がメインとなる。乗用車の場合、車種によってボルト穴は4穴だったり5穴だったりするので注意が必要だ。
インセットはかつてオフセットと呼ばれていたものだ。インセット42ということはオフセットでいうと+42となり、ホイールの中心が外側に42mmずれているということになる。逆の場合はアウトセットと呼ばれる。インセットが大きいほどホイールのディスク面が外側に出て奥に入ることになる。こちらの方がフェンダーにきっちり収まるようになるとはいえるが、タイヤやホイールがインナーフェンダーなどに干渉して装着できない場合がある。
インセットを小さくすればホイールは外側に出る方向になる。ホイールをツライチに持って行きたいのならば、ここをぎりぎり攻めることになる。もちろんフェンダーから規定以上にはみ出してしまうと車検でアウトになってしまうので注意が必要だ。
インセットが合わなくて内側に当たる場合や外側に出したい場合にはホイールスペーサーで調整する手段もあるが、できればリム幅やインセットで対処するのがお勧めとなる。逆に、どのくらいのインセットが必要かを確認するにはスペーサーは有効なパーツと言えるだろう。