ベスト・オブ・ザ・ベスト賞はカテゴリー最高位
デザイン性に優れた製品を表彰する賞といえば日本でグッドデザイン賞が有名だが、世界にも数多くの存在し、そのなかでも「レッド・ドット・デザイン賞」(ドイツ)は世界三大デザイン賞のひとつとして知られる。1955年に創設されて60年以上に渡って続いてきた権威あるデザイン機関だ。
過去2年以内に製品化されたプロダクトを対象としていることから応募数も多く、2020年のプロダクトデザイン部門への応募総数は6500点以上にものぼったという。その中からデザインの専門家が機能性や耐久性、人間工学など9つの基準から審査。2020年3月30日に結果が発表され、狭き門としても知られる最高賞「ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」にホンダが自動車カテゴリーの中から選出された。
最高賞を獲得した製品は、日本で2020年内に発売されるのではないかといわれているEV(電気自動車)のホンダeだ。2017年に「アーバンEVコンセプト」として発表されて以来、初代シビックを彷彿とさせるようなノスタルジックな雰囲気やコンパクトさ、可愛らしさなどから幅広い世代から注目を浴びていたモデル。
特長はエクステリアデザインだけでなく、ダッシュボードに並べられたふたつの大型タッチスクリーンやデジタルドアミラー、コネクティッドサービスを搭載することで高い操作性や快適性を得られるという。
欧州ではすでに予約受注を始められており、パワートレーンは136ps/315Nmと、154ps/315Nmのふたつの仕様を用意。フロア下に搭載された容量35.5kWhのバッテリーにより航続可能距離は220kmを実現すると発表されている。発売まで少し時間はかかるものの、楽しみな1台であることに変わりはなさそうだ。
実は今回のレッド・ドット・デザイン賞でホンダはもうひとつ、二輪車カテゴリーで「レッド・ドット賞」も受賞しているのだ。対象は2019年11月に発表されたスーパースポーツモデル「CBR1000RR-R ファイアブレード」で、サーキットで本領発揮することをコンセプトに開発されたCBRシリーズの最上位モデル。シリーズ史上最高のエンジン出力を実現し、軽量化や安定性を高めたフレーム、高度な電子制御機能など、MotoGPワークスマシンRC213Vで培われた技術を盛り込まれているという。日本市場ではつい先日、2020年3月20日に発売されたばかりだ。