M2コンペティションより最高出力を40psアップ
BMWのスポーツ走行性能を極めたMモデルと呼ばれるシリーズがある。ベースモデルの車内空間の広さやトランクスペースなどの使い勝手はそのままにサーキットでの走行性能を高めている、という話は知ってのとおり。
そのMモデルのなかにもいくつか種類があり、現在のM4クーペを例にすると、ベースグレードは最高出力431ps/最大トルク550Nmを発生する3L直6ターボだった。それがM4クーペ コンペティションになると450ps/550Nmに、M4クーペ CSでは460ps/600Nmにまでパワーアップ。そしてM4クーペ GTSでは500ps/600Nmにまで到達。しかも、パワーアップとともに軽量化も施され、ベースモデルで1640kgだった車両重量はM4クーペ CSで1580kgとなっていた。
さて、BMW Mモデルの中でももっともコンパクトなM2はというと、ベースモデル(370ps/465Nm仕様)はすでに販売を終了しており、日本市場で410ps/550NmにパワーアップされたM2コンペティションのみの販売となっている。
このラインアップに2020年4月6日、「M2 CS」が限定車として追加された。車両価格は6速MT仕様で1260万円、7速DCT仕様で1285万円として合計で60台の限定販売となる。
搭載される3L直6ターボエンジンはコンペティションよりも40ps高められて450psに強化、最大トルクは550Nmで変わらないものの発生回転域を高回転側に拡大されて2350−5500rpm(コンペティションで2350−5230rpm)となっている。
また、ダンパーやスタビライザーをサーキット走行に適応させた「アダプティブMサスペンション」や、リアの左右ホイール間でトルクを最適配分する電子制御式多板クラッチの「アクティブMディファレンシャル」を標準装備。ハイパワーをより効率的に路面へ伝えられる仕様となっている。
またボンネットやルーフ、デフューザーなどをカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)に変更して軽量化を図るだけでなく、空気の流入口である大きなエアベントをボンネットに採用し、ボディ下部の空気の流れを効率化する狙いもある。エンジンの冷却や、前輪にかかるダウンフォースを高めるなどの効果をもたらすという。
室内には、アルカンターラ表皮のハンドルや、カーボンドアハンドル、カーボンセンターコンソールを装備してスポーツ色を濃く、さらにシートには「M2」の照明付きエンブレムを採用したMコンペティションスポーツシートを採用する。
ただ残念なことにこのモデル、日本市場に割り当てられた60台はすべて完売してしまったという。現状ではキャンセルを待つしかないようだ。
BMW M2 CS 車両価格
6速MT仕様:1260万円
7速DCT仕様:1285万円
※すべて右ハンドル
BMW M2 CS(6速MT仕様) 主要諸元
●全長×全幅×全高=4475×1870×1415mm
●ホイールベース=2695mm
●車両重量=1580kg(7速DCT仕様は1600kg)
●エンジン=直6 DOHCターボ
●総排気量=2979cc
●最高出力=450ps/6250rpm
●最大トルク=550Nm/2350−5500rpm
●駆動方式=FR
●トランスミッション=6速MT