美しいクーペシルエットを持つSUVとして人気モデルとなっているBMW X6。その3世代目が日本へ導入された。今回は直6ディーゼルターボエンジン搭載車35dに試乗した。
画像: クーペらしい流麗なルーフラインが特徴。2mを超える全幅は運転時に気を遣うが、この美しさを表現するために必要なサイズなのだろう。

クーペらしい流麗なルーフラインが特徴。2mを超える全幅は運転時に気を遣うが、この美しさを表現するために必要なサイズなのだろう。

デザイン

初代型の登場時は、まだSUVに多くの人が実用性を求めていた時代で、SUVクーペはニッチな存在で終わるだろうと考えられていた。しかしX6の美しさは好評を持って市場に受け入れられた。さらに競合ブランドも同じようなスタイルのSUVでこの市場に参入。今では人気カテゴリーとなっている。そんな群雄割拠の中でもこのX6は頭ひとつ抜けた美しさを持っている。

運転支援機能(ADAS)

ハンズオフアシスト機能は酷い渋滞時はとても便利である。しかしACC使用時に「ハンドルを握りなさい」という警告灯と警告音が出ることがある。もちろんハンドルを握っているのに、である。ただこれは他のBMW車に試乗したときも同じ事象が起こるので改良時の対策されることだろう。

素晴らしいと思ったのは、ACC作動時に先行車や横を通過するクルマの形まで認識していることである。バイクやトラックが横を通過すればディスプレイにはその形が表示されるのだ。それほどカメラやセンサーの認識力が正確だということだろう。

画像: ハンズオフアシストといった最新のADASも装備されている。ATセレクターも8シリーズから採用された高級感あるクリスタル製。さらに12.3インチメーターと10.25インチのディスプレイは最新BMW流。

ハンズオフアシストといった最新のADASも装備されている。ATセレクターも8シリーズから採用された高級感あるクリスタル製。さらに12.3インチメーターと10.25インチのディスプレイは最新BMW流。

コネクティビティ

USBがタイプCとなるため今まで使っていたUSBケーブルを買い替える必要がある。ただ今回の試乗では、これはあまり使用することはなく、とくに問題は感じなかった。スマートフォンとの連携はブルートゥースで簡単にできるし、充電は置くだけのワイヤレスチャージングが標準で装備されているのでとても便利である。

画像: B57D30A型3L直6ディーゼルターボエンジン。620Nmという大トルクは魅力的だ。

B57D30A型3L直6ディーゼルターボエンジン。620Nmという大トルクは魅力的だ。

燃費性能

今回は約506km走ったが、平均燃費は12.0km/Lだった。この走行距離では給油も必要ない。計算では満タンで800kmは楽に走ることができるのだ。この足の長さはとても魅力である。

車載機能の操作性

インパネには、スイッチ類が多くあるが場所を覚えればブラインド操作できるもで便利だ。またX6にはジェスチャーコントロールも装備されているが、手の動きの認識が甘くうまく作動しないのでほとんど使うことはなかった。その他では、走行データと燃費を切り替えないと同時に表示できないところなど、新しいデザインのメーター表示には不満が残った。

画像: 前、後にシートヒーターを標準装備。カップホルダーはオプションの保冷、保温機能付きとなる。

前、後にシートヒーターを標準装備。カップホルダーはオプションの保冷、保温機能付きとなる。

安全性能

便利なのは50mの軌跡をバックしてくれるリバースアシストである。前向き駐車する場所などでは使い勝手がいい。車両後方に歩行者や障害物などがある場合は動かないので安全面の配慮もされている。

長距離運転の快適性

スポーティな仕様のMスポーツということもあり、ハンドルの太さがかなり太い。手の小さい人だと不便だと感じることだろう。乗り心地ももう少しソフトな方がいい。とくに荒れた路面ではボディへの入力が大きく車体の揺れも気になった。これが続くようでは長距離運転は疲れてしまう。

画像: 後席を倒さないで使っても580Lのラゲッジルーム容量を確保する。40:20:40の分割可倒式後席を倒した最大容量は1525L。

後席を倒さないで使っても580Lのラゲッジルーム容量を確保する。40:20:40の分割可倒式後席を倒した最大容量は1525L。

官能性能

逆に綺麗な路面を走ると実に気持いい乗り心地が味わえる。ディーゼルエンジンであっても、さすがBMWの直6エンジン。回して音も楽しめ、気持ちもよくX6の主役だった。

車両価格の魅力

200万円以上のオプション装備を含めると取材車は約1300万円という価格になる。アフォーダブルではないが、それだけの個性と価値はある。

画像: 車両価格の魅力

ステイタス性

BMWのXシリーズの中でも別格の貫禄を持つのがX6である。所有欲を満足させる1台だと言えるだろう。3列シートが必要であればX7、そうでなければこのX6という手もあるだろう。

総合評価

先代にあった35iがラインナップに欲しい。それなら価格も1000万円を切るはずだ。選択肢はもう少し広いともっと幅広い層に受け入れられるだろう。(文:千葉知充/写真:永元秀和)

画像: 後ろから見ても贅肉がしっかりと落とされ筋骨隆々なアスリートのようなスタイルである。SUVクーペの中でも圧倒的な存在感を持つ。

後ろから見ても贅肉がしっかりと落とされ筋骨隆々なアスリートのようなスタイルである。SUVクーペの中でも圧倒的な存在感を持つ。

ボディカラ-:マンハッタンメタリック、インテリア:フルメリノレザーブラック
車両価格 10,690,000円+オプション装備価格2,158,000円=取材車総額 12,848,000円
7日間の走行距離:506km/平均燃費:12.0km/L

装着オプション:メタリックペイント(マンハッタンメタリック) 92,000円、BMW Individual フルメリノレザーブラック/ブラック 561,000円、プラスパッケージ※ 150,000円、コンフォートパッケージ437,000円、22インチMライトアロイホイールダブルスポークスタイリング699 171,000円、BMWディスプレイキー 48,000円、クラフテッドクリスタルフィニッシュ 89,000円、カーボンファイバーインテリアトリム 164,000円、スカイラウンジパノラマガラスサンルーフ 377,000円、harman/kardonサラウンドサウンドシステム 69,000円
●プラスパッケージ=4ゾーンオートマチックエアコンディショナー(前後独立温度調節機能付き)、保冷・保温機能付きカップホルダー、ソフトクローズドア(フロント&リア)

■BMW X6 xDrive 36d Mスポーツ主要諸元
全長×全幅×全高=4945×2005×1695mm
ホイールベース=2975mm
車両重量=2160kg
搭載エンジン=直6DOHCディーゼルターボ
総排気量=2992cc
最高出力=195kW(265ps)/4000rpm
最大トルク=620Nm(63.2kgm)/2000-2500rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=4WD
燃料・タンク容量=軽油・80L
タイヤサイズ=前275/45R20、後305/40R20
価格=10,740,000円

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