クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第78回は「フェラーリ カリフォルニア」だ。

フェラーリ カリフォルニア(2008-2017年)

画像: リトラクタブルハードトップは約14秒で開閉する。そのアクションは、けっこう注目に値する。

リトラクタブルハードトップは約14秒で開閉する。そのアクションは、けっこう注目に値する。

2008年のパリ モーターショーでワールドプレミアされたフェラーリ カリフォルニアは、フェラーリ初のRHT(リトラクタブル ハードトップ)を備えた2+2のクーペカブリオレとして登場した。フェラーリでは以前に575Mマラネロをベースに回転式電動開閉トップを備えた「スーパーアメリカ」というモデルも存在したが、オープン時でもタルガトップだった。だがカリフォルニアは、トップ収納時は完全なフルオープンスタイルとなる。

カリフォルニアとは、このクルマがもっとも似合いそうなアメリカ合衆国の州の名であり、1950年代の「フェラーリ 250GTスパイダー カリフォルニア」に由来するネーミングだ。それを証明するかのように、エクステリアではボンネット上のエアインテークやフロントフェンダーのスリットなど、往年の名車をモチーフとしたディテールを採用していた。デザインは、ピニンファリーナによる。

カリフォルニアは、V8エンジンを搭載したフェラーリとしては初めてFRの駆動方式を採用した。そのエンジンは4.3LのV8 直噴(これもフェラーリ初だ)DOHCで、最高出力は460ps、最大トルクは495Nmというパワースペックを発生していた。2012年のマイナーチェンジで「カリフォルニア30」となり、パワースペックは30psアップ(30の名は、これに由来する)の490ps/505Nmとなり、ボディも30kg(これも車名の由来だ)軽量化されている。

画像: フェラーリとしてはF40以来の市販車用ターボエンジンは3.9Lから560psと755Nmを発生し、燃費は4.3Lより約15%向上している。

フェラーリとしてはF40以来の市販車用ターボエンジンは3.9Lから560psと755Nmを発生し、燃費は4.3Lより約15%向上している。

2014年、カリフォルニアはビッグマイナーチェンジを受けて「カリフォルニアT」となる。Tはターボを意味し、その名のとおりパワーユニットは同じV型8気筒ながら排気量を3.9L(正確には3855cc)に縮小し、ツインターボを装着することでパワーアップを図るという、いわゆるダウンサイジングターボを採用したのだった。

さらにツインスクロール型ターボや可変ブーストマネージメントシステムを導入し、最高出力は560ps、最大トルクは755Nmと、カリフォルニア30と比べても70ps/250Nmものパワーアップを果たした。組み合わされるミッションは7速DCTのF1シフトで変わらないが、ギアレシオやシフトプログラムはリニューアルされている。

ヘッドランプを含めたフロントマスクを一新し、ボディデザインも若干変更され、ボンネット上にはエアアウトレットが設けられ、フロントフェンダー上のスリットもスパルタンなデザインとなった。

0→100km/h加速は3.6秒、最高速度は316km/hというハイパフォーマンスを誇りながら、わずか14秒で開閉するトップでフルオープンもクローズドクーペも楽しめるフェラーリ カリフォルニア。リアシートを倒せばトランクスルーになる機構も備えており、けっこう実用性も高いモデルでもあった。

画像: トランクは意外と広く、リアシートバックを倒せばオープン時でもゴルフバッグやスキーなどの長尺物も積載可能だ。

トランクは意外と広く、リアシートバックを倒せばオープン時でもゴルフバッグやスキーなどの長尺物も積載可能だ。

フェラーリ カリフォルニアT 主要諸元

●全長×全幅×全高:4570×1910×1322mm
●ホイールベース:2670mm
●重量:1730kg
●エンジン種類:90度V8 DOHCツインターボ
●排気量:3855cc
●最高出力:560ps/7500rpm
●最大トルク:755Nm/4750rpm
●燃料タンク容量:78L
●駆動方式:トランスアクスルFR
●トランスミッション:7速DCT
●タイヤサイズ:前245/45ZR19、後285/40ZR19
●当時の価格:2450万円

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