今年65歳以上のドライバーを対象としたサポカー補助金とは?
サポカー補助金制度はすでに3月9日から申請受付を始めている。予算を使い切ってしまえば実施は終わってしまうが、補助金を交付する一般社団法人次世代自動車振興センターによると2021年2月頃までに申請したものが対象になることを想定しているというので、まだ焦らなくても大丈夫。ここで改めて解説しよう。
補助金の対象となるのは、令和2年度中に満65歳以上となるドライバーで、「サポカー」を購入した場合だ。ちなみにサポカーとは、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備を装着したクルマの愛称で、政府の高齢運転者の交通事故防止策の一環として位置づけられている。
サポカーの中身をもう少し詳しく説明すると、衝突被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い急発進抑制装置等を搭載したクルマを「セーフティ・サポートカーS(サポカーS)」、衝突被害軽減ブレーキのみを搭載したクルマを単に「セーフティ・サポートカー(サポカー)」として区別している。
細かくなるが、「サポカーS」に関してはさらに「ワイド」「ベーシック+」「ベーシック」の3つに区分されている。詳細は以下となる。
・「ワイド」/衝突被害軽減ブレーキ(対歩行者)、ペダル踏み間違い急発進抑制装置、車線逸脱警報、先進ライト
・「ベーシック+」/衝突被害軽減ブレーキ(対車両)、ペダル踏み間違い急発進抑制装置
・「ベーシック」/低速衝突被害軽減ブレーキ(対車両)、ペダル踏み間違い急発進抑制装置
今回のサポカー補助金では対歩行者機能を持つ衝突被害軽減ブレーキを装備していることが必要なので、無条件で適応されるのはサポカーSワイドとなる。サポカーで対象となる場合にも、対歩行者機能を持つ衝突安全軽減ブレーキが必要となる。具体的な補助金額は以下となる。
「対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ」と「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」を搭載のクルマを購入する購入する場合の補助金
・乗用車(普通自動車)/10万円
・軽自動車/7万円
・中古車/4万円
「対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ」のみ搭載のクルマを購入する場合の補助金
・乗用車/6万円
・軽自動車/3万円
・中古車/2万円
現在乗っているクルマにそうした機能が無い場合、後付けで補助金が得られるというのも今回の制度の特徴だ。具体的には「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」を設置した場合、障害物検知機能付きで4万円、同機能がない場合でも2万円の給付が可能となっている。
対象となる後付け装置は「踏み間違い加速抑制システム(トヨタ自動車)」、「ペダル踏み間違い時加速抑制装置:つくつく防止(ダイハツ工業)」、「ペダルの見張り番II(データシステム)」など9製品で、次世代自動車振興センターによって認定されたものに限られる。後付け装置を購入したドライバーは、同センターが認定した販売・取付店舗に、購入・取付代金(消費税込み)から補助金相当額を控除した費用を支払うということになる。
サポカー補助金の申請手続きなどは新車の場合はディーラーのスタッフ、その他の場合もショップと相談しつつというのが現実的な方法だろうが、補助金の交付は「一般社団法人次世代自動車振興センター」に申請することによって行われる。
申し込みに関しては5月末までに登録(届出)・取り付けしたものについては6月末まで、その後は登録(届出)・取付けから原則1ヵ月以内となっている。ただし同補助金の審査状況は、現在新型コロナウイルスの問題もあり、申請から交付まで最大3〜4ヵ月程度かかっている状況だ。逆に言えば落ち着くのを待ってからというのもありだろう。
ちょっと古いデータになってしまうが、一般社団法人日本自動車会議所によると2017年の緊急自動ブレーキ(以下、自動ブレーキ)の全車標準やグレード標準といった設定車ベースの装着率はトヨタが89%(レクサスを除く)、ホンダが90%、スバルが92.4%となった。乗用車メーカーの販売全体に占める割合も6割程度となっているという。
これらのクルマが中古車として市場に出て、サポカー補助金制度に合っているのであれば、今回のサポカー補助金の対象となるわけだ。もちろん現在の新車販売台数の装着割合はさらに高まっているとともに、技術的にも洗練されてきているから、新車の購入を考えている場合、サポカー補助金を使わない手はないだろう(文・飯嶋洋治)。