2020年6月5日、マツダは新型コロナウイルス感染防止に向けた支援活動として、新型コロナウイルス感染症の軽症患者や無症状の病原体保有者等を搬送する車両を提供した。
CX-8をベースに隔壁や後席排気システムを設置
この車両は、行政や医療機関から送られたさまざまな要望を踏まえて、SUVのCX-8をベースに、マツダが開発してマツダ E&Tが架装を行い、納車および車両メンテナンスといったアフターサービスは提供先に所在するマツダの販売会社が行うというものだ。
搬送車両の概要は、以下のとおりだ。
1)前席の乗員の感染リスクを低減するとともに、後席の様子を確認できる仕様
●前席と後席(2列目)の間に、大型の窓を備えた隔壁(パーティション)を設置する
●車載の空調と追加架装の後席排気システム(リアベンチレーション)により前席と後席の圧力差を作ることで、後席から前席への空気流入を抑制する
2)感染者搬送後の手入れのしやすさに配慮
●全席に装備するフロアマットをラバー(ゴム素材)にして、除菌や清掃のしやすさに配慮する
●座席に装着できるビニールカバーを装備し、感染者搬送後に交換することで、消毒などの作業の負担を軽減する
3)より安心して利用するためのオプションを設定
●前席と後席の乗員が隔壁(パーティション)越しでもストレスなくスムーズに会話できる通話システム
●前席の乗員が前席と後席の圧力差を確認できる差圧計
搬送車両の基本的な構造は、以前にトヨタやホンダが開発したものと同じだ。提供先は広島県、提供台数は9台。納車とアフターサービスは広島マツダが担当し、2020年6月5日から提供を開始する。