2020年6月24日、日産自動車(以下、日産)は新型コンパクトSUVの「キックス」を発表、6月30日から発売する。

タイで生産されるコンパクトSUVはe-Powerも搭載

画像: 全長は4.3mを切るコンパクトなサイズ。エクステリアではVモーショングリルやフローティングルーフが特徴的だ。

全長は4.3mを切るコンパクトなサイズ。エクステリアではVモーショングリルやフローティングルーフが特徴的だ。

日産は2020年5月に発表した事業構造改革計画「NISSAN NEXT」で、2023年度までにEVを2車種、e-POWERを4車種発売すると発表した。今回のキックスは、その第1弾となる。日産としては、日本市場では10年ぶりのブランニューモデルだ。

キックスという車名は、日産が2008年に三菱 パジェロミニをOEM供給されたときに使われていた。2016年に登場した現行型のキックスは、日本未導入だったが日産の世界戦略車としてコンパクトSUVとなり、北米をはじめ中国や東南アジアなど、多くの国で販売されている。今回、日本に導入されるキックスは、マーチ同様タイで生産されるモデルだ。

エクステリアは、コンサバティブなSUVらしいスタイルで、最近の日産車に共通のVモーショングリルやフローティングルーフ(ピラーを黒くすることでルーフが浮いてみえる)、そしてLEDヘッドランプも採用して、存在感を放つデザインとしている。サイズ的には、ジュークより約8cm長く、約4cm幅広く、約1.5cm高い。

インテリアは、クラス以上の上質さを感じさせるモダンプレミアムな室内空間で、操作系を使いやすくグルーピングしたレイアウトや、高品質に表現されたパーツ類が特徴だ。カテゴリートップクラスのフロントウインドー見開き角と低いウエストラインにより、運転席の視界は開放感あるものとなっている。後席は、ニールームが600mm、ヘッドルームが85mmあるので大人でも十分広い。ラゲッジスペースもトップクラスの423Lの容量がある。

画像: シームレスで上質なインテリア。オレンジタンのカラーがファッショナブルな、ツートーンインテリアエディション。

シームレスで上質なインテリア。オレンジタンのカラーがファッショナブルな、ツートーンインテリアエディション。

パワートレーンは、ノートやセレナで定評のあるe-Powerを搭載。1.2Lの直3エンジンで発電し、モーターで駆動するシリーズハイブリッドだ。モーターの最高出力は129ps、最大トルクは260Nmで、ノートのものより最大出力を約20%向上させている。高速道路やワインディングなど、幅広いシーンでパワフルでキビキビした走りを実現し、またアクセルペダルの踏み戻しで車速を調整できる、ワンペダル感覚での運転も可能だ。なお、駆動方式は2WD(FF)のみで、今のところ4WDは設定されていない。

運転支援技術の「プロパイロット」も全車に標準装備し、ミリ波レーダーも採用してスムーズな制御を行い、ドライバーをアシストする。もしもの事故や、あおり運転や急病などの緊急事態にも対応するSOSコールも全車に標準装備している。

グレードと車両価格(税込)は、Xが275万9900円、X ツートーンインテリアエディションが286万9900円。

日本のコンパクトSUVクラスは、トヨタ C-HR、ホンダ ヴェゼル、マツダ CX-3などが鎬を削り合い、ダイハツ ロッキー/トヨタ ライズも好調だ。さらにトヨタはヤリスクロスも控えている。この激戦区で、日産 キックスはどう戦っていくのだろうか。

画像: 全幅は1760mmあるので3ナンバーとなる。車高は1600mmを超えるので、立体駐車場に入れるのは難しそうだ。

全幅は1760mmあるので3ナンバーとなる。車高は1600mmを超えるので、立体駐車場に入れるのは難しそうだ。

キックス X ツートーン インテリアエディション 主要諸元

●全長×全幅×全高:4290×1760×1610mm
●ホイールベース:2620mm
●重量:1350kg
●パワートレーン種類:直3 DOHC+モーター
●排気量:1198cc
●エンジン最高出力:60kW<82ps>/6000rpm
●エンジン最大トルク:103Nm<10.5kgm>/3600-5200rpm
●モーター最高出力:95kW<129ps>/4000-8992rpm
●モーター最大トルク:260Nm<26.5kgm>/500-3008rpm
●駆動方式:2WD(FF)
●WLTCモード燃費:21.6km/L
●タイヤサイズ:205/55R17 91V
●税込み車両価格:286万9900円

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