BMW 2001年モデル試乗会(2000年)
クルマはもちろん、オートバイから自転車まで、BMWの2001年モデルを片っ端から試乗できる、文字どおりのフルラインアップ試乗会が行われた。ここでは、2001年に注目されるモデルを中心にレポートしていこう。
Z8 ロードスター
まずは007映画の最新作「ゴールデンアイ」のボンドカーにも採用された、ロードスターのZ8。何といってもそのスタイルがカッコイイ! このクルマは、やはりオープンで乗って欲しいもの。ソフトトップの開閉はもちろん電動で、センターダッシュのスイッチひとつのワンタッチで操作が可能だ。だから、信号待ちの間にも行なえてしまう。搭載されるエンジンはM5と同じ最高出力400ps!を発生する5LのV8 DOHCだから、速くないわけがない。
アクセルを軽く踏み込めば、豪快なサウンドを発して瞬時に加速する。トランスミッションもM5と同じ6速MTのみだが、このクルマの性格を考えると普通のV8を搭載してもいいから、ステップトロニックATと組み合わせた日本仕様を作って欲しいところだ。とはいえ、このクルマが似合うシチュエーションは、日本では少ないと思われるのだが・・・。
X5 4.4i
続いて試乗したのは、BMW初のSUVとなる、X5。だがBMWではSUV(スポーツ ユーティリティ ビークル)ではなく、SAV(スポーツ アクティビティ ビークル)と呼んで、SUVよりもスポーティなイメージを強めているようだ。
サイズは思ったよりもけっこう大きく、見た目は鈍重そうに思えるのだがとんでもない。4.4LのV8 DOHCは2トンを超えるボディをグイグイ引っ張り、箱根のアップヒルも苦にしない。そしてBMWの血統らしく、ワインディングでの走りっぷりもいい。こいつは背の高いオールラウンド スポーツサルーンといえるだろう。
もちろん、ラフロードの走破性も問題ない。気になる点は、800万円を超えるプライスだけか。ただし、来年(編集部註:2001年)には3Lの直6 DOHCを搭載した廉価版(といってもそれなりの価格だろうが)が発表されるらしい。「V8までは要らないかな・・・」と思われる人は、もう少し待つといいだろう。
320i セダン
BMWの中核モデルである3シリーズは、直6エンジンが新型のM54に替わった。エンジンの外観はほとんど変わらないが、320iは車名はそのままに排気量は2.2Lにアップし、最高出力は168ps/最大トルクは21.4kgmを発生する。走らせてみると、やはり2.0L版より最高出力で20ps/最大トルクで2.0kgmアップしたアドバンテージは大きい。
225psを発生するトップグレードの330iと乗り比べると絶対的なパワー差は感じるが、痛痒感はない。5速ATは3〜4速のギア比が離れているのが少し気になるが、ハンドリングの良さは相変わらずだし、プライスを考えてもこれがベスト of 3シリーズだろう。
Q5.t Auto-D(自転車)
BMWがクルマだけでなくオートバイも作っていることは有名だが、自転車も作っているとは知らなかった。じつは自転車製造に関しても、40年以上の歴史を誇っている。
今回試乗した自転車は、「Q5.t Auto-D」という車名。テクノロジーに秀でたBMWらしく、車速センサーを搭載していて自動的に4段ギアを変速してくれる。これが、なかなかの優れもの。ファーストBMWとして選んでも満足できる、そんな1台だった。