作業時には全長が15.9mから23.4mにトランスフォーム!
この車両は、中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋が、東邦車輌 株式会社と共同で開発した、高速道路などでの交通規制を伴う路上作業時の作業員の安全確保を目的としたものだ。両社は2018年末から共同開発を開始し、2019年10月の「ハイウェイ・テクノフェア 2019」の会場で実車を展示、2020年4月から三重県内の高速道路で運用を開始している。
交通規制を伴う高速道路の路上作業中に、通行車両が規制区域内に誤って進入して工事車両や工事規制器材に衝突する物損事故が、ここ数年で大幅に増加している。ときには、作業員に衝突して作業員が死亡または負傷する事故も発生しており、路上作業員の安全の確保が重要な課題となっていた。今回、開発した車両は、規制区域内に誤って進入してきた車両から直接防護できる作業スペースを確保することで、路上作業時のさらなる安全性の向上を目的として開発された。
この車両は、保護ビームを伸縮させることで作業スペースを広く確保でき、また保護ビームを左右に移動させることができるため、走行車線規制、追越車線規制のどちらでも利用が可能になっている。
「ハイウェイ・トランスフォーマー(Highway Transformer)」という名称に決定した理由は、高速道路(Highway)などの作業現場において、メインビームを左右に移動させたり、伸ばしたりするなど車体構造を変形(Transform)できることから名づけられた。車体後部には衝撃緩衝装置を装備しており、さらにその後方に防護車両を配置することで、万が一通行車両が後方から追突した場合でも、作業スペースを防護することができる。
車両の主要諸元は、以下のとおり。
■ハイウェイ・トランスフォーマー
●全長:走行時は15.9m、作業時は23.4m
●幅:2.5m
●重量:24.7トン
●付帯装置:LED標識装置、衝撃緩衝装置、エアコンプレッサー
●作業スペース:約10m×約2m