トヨタはル・マン4年連続のポールポジションと3年連続勝利を記録
3年連続ル・マン制覇を狙う8号車と、昨年の雪辱に燃える7号車。またもトヨタの中で明暗を分ける形となった。
レギュレーションの変更もあって、激しい戦いとなっているLMP1クラス。予選ではTS050 HYBRID 7号車がポールポジションを獲得するものの、TS050 HYBRID 8号車はレベリオンに2位の座を奪われて3番手からのスタートとなった。
ポールポジションからスタートしたマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペスの7号車は決勝レースでも好調で、彼らにとってのル・マン初勝利を目指して中盤まで順調に首位を独走していたが、突然、ターボトラブルに見舞われて後退。
一方の8号車は序盤にタイヤのパンクやブレーキダクトのダメージといったトラブルに見舞われて大苦戦。それでも諦めることなく戦い続けて、なんとか2番手に浮上したことでチャンスが巡ってくる。そして後半、7号車のトラブルによりトップに立つと、終盤はペースをコントロールしながら慎重に周回を重ねて、最終的に2位に5周差をつけて優勝した。
7号車は終盤見事な追い上げを見せたものの、3位が精一杯だった。
トヨタTS050 HYBRIDは、2012年に登場した第1世代のLMP1ハイブリッド車両に対して燃料使用量は35%削減されたにもかかわらず、1000psを誇る4輪駆動レーシングカーに進化。1周あたり約10秒もラップタイムを短縮し、予選および決勝レース中のコースレコードも塗り替えて、TS050 HYBRIDでの最後のル・マンを見事な優勝で飾った。
この結果、最終戦を待たずしてトヨタのチームチャンピオンが確定。なお、8号車と7号車のトヨタ同士の戦いとなっているドライバーズタイトル争いは、11月14日にバーレーンで開催されるシーズン最終戦に持ち越されることとなった。首位の8号車と2位の7号車は僅か7ポイント差で、タイトルをかけて最終戦に臨むこととなる。
2019-2020 WEC第7戦 ル・マン24時間 決勝結果(LMP1クラス)
優勝 8 トヨタTS050 HYBRID(S.ブエミ/中嶋一貴/B.ハートレー)387周
2位 1 レベリオンR13・ギブソン(B.セナ/G.メネゼス/N.ナト)+5周
3位 7 トヨタTS050 HYBRID(M.コンウェイ/小林可夢偉/J.M.ロペス)+6周
4位 3 レベリオンR13・ギブソン(R.デュマ/L.デレトラズ/N.ベルトン)+6周