2019年9月25日金曜日、F1第10戦ロシアGPがソチ・オートドロームで開幕する。新型コロナウイルス感染拡大の影響で7月開幕となった2020年F1シーズンも早くも後半戦、ここからレッドブル・ホンダはどう盛り返すのか。後半戦のスタートは重要な一戦となる。(写真は2019年のロシアGP。ソチ・オートドロームの名物コーナー「ターン3」)

現在6連覇中、メルセデスAMGが得意とするグランプリ

開幕前はレッドブル・ホンダ有利と言われていた2020年F1シーズンも、いざ蓋を開けるとメルセデスAMGがスタートダッシュを決めて独走。レッドブル・ホンダはその差をなかなか縮められないまま、ここまで来てしまった。

第9戦までを振り返ると、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が6勝、バルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)が1勝、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が1勝、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が1勝という結果。パワーユニットの予選モード禁止の効果もあってか、ハミルトンとフェルスタッペンのタイム差は縮まりつつあるが、フェルスタッペンが第7戦イタリアGP、第8戦トスカーナGPのイタリア2連戦で連続リタイアしたことで、ポイント差は大きく広がってしまった。

ハミルトンは速い上に、ここまでノーポイントのレースなしと安定、盤石のシーズンを送っている。もはやリタイアさえしなければチャンピオンは確定かという状況だが、レースは最後までわからない。

画像: 2020年のF1シーンをリードするルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)。ロシアGPでも主役となるのは間違いない。

2020年のF1シーンをリードするルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)。ロシアGPでも主役となるのは間違いない。

では、トスカーナGPから中1週おいて開催されるロシアGPはどうか。ポイントは、このところ高速コースでのグランプリが続いていたが、ようやくスタンダードなコースレイアウトに戻ること。ただし、これでレッドブル・ホンダ有利となるかと言えば、そうとも言い切れない。レッドブル・ホンダのマシンに向いたコースのようにも見えるが、2014年にロシアGPが始まって以来、メルセデスAMGはここで6連勝で負けなしなのだ。とくにハミルトンはこのコースを得意としていて、すでに4勝をあげている。

ロシアGPが開催されるソチ・オートドロームは2014年に冬季オリンピックの会場跡地に建設されたサーキットで、5.8kmのコースの一部1.7kmは公道を使用する半公道コース。普段使われていない部分も多く、セッションを重ねるごとに路面にラバーが乗ってラップタイムが向上していくのが特徴。また、ピットレーンが長いため、ピットストップのタイムロスが大きく、ワンストップ戦略が主流となる。変化する路面状況にあわせてマシンをどうセットアップしていくか、タイヤマネージメントも重要だ。

名物コーナーはほぼ全開で駆け抜ける超高速の3コーナー。コースレイアウトはストップ&ゴー型だが、長いストレートもあり、トラクション性能とグリップ性能、ブレーキ性能など総合力が要求される。

画像: ロシアGPが開催されるソチ・オートドロームのコース図。ストップ&ゴーのレイアウトだが、長いストレートもあり、トラクション性能とグリップ性能、ブレーキ性能など総合力が要求される。

ロシアGPが開催されるソチ・オートドロームのコース図。ストップ&ゴーのレイアウトだが、長いストレートもあり、トラクション性能とグリップ性能、ブレーキ性能など総合力が要求される。

昨年のロシアGPは、優勝ルイス・ハミルトン、2位バルテリ・ボッタスでメルセデスAMGの1−2となった。圧倒的な速さを見せていたフェラーリの2台がレースをリードしていたものの、トップを走るセバスチャン・ヴェッテルがコース上にストップしたために発動されたバーチャルセーフティカーの隙に、メルセデスAMG勢はタイヤを交換。判断が遅れたシャルル・ルクレールをあっさりと逆転してしまった。ちなみにレッドブル・ホンダ勢は次の日本GPに備えてパワーユニットに交換してグリッド降格ペナルティを受けたこともあり、マックス・フェルスタッペンが4位、アレクサンダー・アルボンは5位だった。

タイヤを供給するピレリは、ロシアGPについて「ソチ・オートドロームの路面は比較的滑らかで、グリップがそれほど高くなく、タイヤに優しいことで知られています。そこで今回はもっともソフトなコンパウンドを用意しました。コースは主に低速から中速の90度のコーナーで構成されており、最も要求の厳しいコーナーはターン3です。ソチのこの時期は天候が穏やかで、昨年と同じ時期に行われるため、チームにとってはこれまでのデータを使えるのは大きいでしょう。おそらく多くのチームはワンストップとなるはずです」と分析している。

画像: 2020年の各グランプリに用意されるタイヤセット。ロシアGPではもっともソフトな3種類のコンパウンドが供給される。

2020年の各グランプリに用意されるタイヤセット。ロシアGPではもっともソフトな3種類のコンパウンドが供給される。

第10戦ロシアGPは9月25日11時(日本時間17時)から始まるフリー走行で開幕、予選は9月26日15時(日本時間21時)、決勝は9月27日14時10分(日本時間20時10分)に開始される。

2020年F1グランプリ スケジュール

第1戦 7月3日〜5日 オステルライヒGP (優勝 V・ボッタス)
第2戦 7月10日〜12日 シュタイアマルクGP(優勝 L・ハミルトン)
第3戦 7月17日〜19日 ハンガリーGP(優勝 L・ハミルトン)
第4戦 7月31日〜8月2日 イギリスGP(優勝 L・ハミルトン)
第5戦 8月7日〜9日 70周年記念GP(優勝 M・フェルスタッペン)
第6戦 8月14日〜16日 スペインGP (優勝 L・ハミルトン)
第7戦 8月28日〜30日 ベルギーGP スパ・フランコルシャン(優勝 L・ハミルトン)
第8戦 9月4日〜6日 イタリアGP モンツァ(優勝 P・ガスリー)
第9戦 9月11日〜13日 トスカーナGP イタリア・ムジェロ(優勝 L・ハミルトン)
第10戦 9月25日〜27日 ロシアGP ソチ
第11戦 10月9日〜11日 アイフェルGP ドイツ・ニュルブルクリンク
第12戦 10月23日〜25日 ポルトガルGP アルガルベ
第13戦 10月31日〜11月1日 ロマーニャGP イタリア・イモラ
第14戦 11月13〜15日 トルコGP イスタンブール
第15戦 11月27〜29日 バーレーンGP サヒール
第16戦 12月4〜6日 サヒールGP サヒール
第17戦 12月11〜13日 アブダビGP ヤス・マリーナ

【参考】2019年 F1第16戦ロシアGP決勝 結果

優勝 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)53周
2位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)+3.829s
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+5.212s
4位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+14.210s 
5位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)+38.348s
6位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー)+45.989s
7位 11 S.ペレス(レーシングポイント・メルセデス)+48.728s
8位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)+57.749s
9位 20 K. マグヌッセン(ハース・フェラーリ)+58.779s
10位 27 N.ヒュルケンベルグ(ルノー)+59.841s

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