10月24.25日に三重県鈴鹿サーキットで開催されたスーパーGT選手権第6戦において、GT500クラス予選最下位からスタートしたMOTUL AUTECH GT-RがSC導入を巧みに利用し逆転優勝を飾った。2位にもカルソニック IMPUL GT-Rが入賞し、日産GT-Rは1-2フィニッシュを達成した。

予選はNSX-GTがフロントロウを占める

土曜日に行われた予選では8号車ARTA NSX-GTの福住仁嶺が最速タイムをマークしポールポジション、2番手にも64号車Modulo NSX-GTとNSX勢がフロントロウを獲得。23号車MOTUL AUTECH GT-Rは、予選で激しいクラッシュがあり決勝の出走を危ぶまれたが修復が完了し最後尾に。第5戦から有観客での開催となったスーパーGTは、第6戦鈴鹿では約2万人の観客を動員、無観客の第3戦とは明らかに雰囲気が異なる中、52周の決勝レースがスタートした。

画像: グランドスタンドなど東コース指定席、西コースの自由席エリアなど約2万人の観客を動員。

グランドスタンドなど東コース指定席、西コースの自由席エリアなど約2万人の観客を動員。

画像: 今年3回目のポールスタートをきっちり決めるARTA NSX-GTだが・・・。

今年3回目のポールスタートをきっちり決めるARTA NSX-GTだが・・・。

鬼神の如く迫りくる「青い新幹線」

スタート後、序盤は8号車、64号車の2台のNSXが1-2で周回を重ねる。やがてGT300クラスのラップダウンが始まる5周目から12号車カルソニック IMPUL GT-Rがポジションを上げ、12周目には64号車NSXをかわし2番手まで浮上。そしてトップの8号車NSXが19周を終え早めのピットインすると翌週には12号車GT-Rもピットに入る。そしてアウトラップを終えたばかりの8号車の前でコースに復帰すると、冷えたタイヤながら8号車NSXに対しブロックラインをとりポジションをキープ。タイヤ交換を終えた車両同士の実質的なトップ争いを制した、はずだった。

画像: 鈴鹿で好調のModulo NSX-GTのテールに喰らいついた「青い新幹線」。

鈴鹿で好調のModulo NSX-GTのテールに喰らいついた「青い新幹線」。

画像: 温まり切らないタイヤながらARTA NSX-GTを抑え込むカルソニック IMPUL GT-R。

温まり切らないタイヤながらARTA NSX-GTを抑え込むカルソニック IMPUL GT-R。

ピット作業とSC導入のタイミングが重なる

このルーティンのピットストップでアクシデントが発生。18周が終了しピットに向かった100号車RAYBRIG NSX-GTに、後を追った37号車KeePer TOM'S GR Supraがスピードリミットライン直前で追突、共にダメージが大きく実質的にレースを終えてしまう。

そして運命の22周目、GT300クラス車両がコースアウトしストップ。セーフティーカー導入が濃厚となった瞬間に23号車MOTUL AUTECH GT-Rがこの時を待っていたかのようにピットに駆け込み、再びコースへ戻る。するとその直後にはSC導入が告げられペースダウンしていた12号車と8号車が。なんとこのSC導入により最後尾スタートの23号車GT-Rがトップに立ってしまう。

画像: チャンピオン争いに「痛み分け」のRABRIG NSX-GTとKeePer TOM'S GR Supra.。

チャンピオン争いに「痛み分け」のRABRIG NSX-GTとKeePer TOM'S GR Supra.。

画像: ドライブする松田次生も驚いたMOTUL AUTECH GT-Rのトップ奪取。

ドライブする松田次生も驚いたMOTUL AUTECH GT-Rのトップ奪取。

予選最下位から奇跡の勝利を呼び込む

再スタート後一時は12号車GT-Rに迫られたが、その後12号車と8号車NSXの2位争いが激しくなったこともあり、最後は余裕をもって23号車MOTUL AUTECH GT-Rがトップチェッカーを受けた。第3戦に続いて鈴鹿サーキットでの2連勝となった。2位には12号車カルソニック IMPUL GT-R、3番手に8号車ARTA NSX-GT、そして4位にも3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが入賞し、GT-R勢が1-2,4位フィニッシュという結果になった。この勝利で23号車GT-Rの2人は首位と2ポイント差のランキング3位に急浮上、またトップから8位までが11ポイント差という混戦模様を呈してきている。

画像: まさに奇跡の勝利、鈴鹿サーキットで「魔物」ではない何かに魅せられたか?

まさに奇跡の勝利、鈴鹿サーキットで「魔物」ではない何かに魅せられたか?

画像: 久しぶりに見たNISSANのワンツー、富士ではなく鈴鹿でというのがおもしろい。

久しぶりに見たNISSANのワンツー、富士ではなく鈴鹿でというのがおもしろい。

GT500クラス 決勝結果

1位 23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
2位 12号車 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)
3位 8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)
4位 3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)
5位 38号車 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)
6位 64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)
7位 36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)
8位 24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/ヤン・マーテンボロー)
9位 19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)
10位 17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)
11位 39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
12位 14号車 WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔)
13位 16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/笹原右京)

GT500クラス ドライバーズランキング(上位10組)

1st 大嶋和也/坪井翔(14号車 WAKO'S 4CR GR Supra)47pt
2nd 平川亮/ニック・キャシディ (37号車 KeePer TOM'S GR Supra)46pt
3rd 松田次生/ロニー・クインタレッリ(23号車 MOTUL AUTECH GT-R)45pt
4th 塚越広大/ベルトラン・バゲット(17号車 KEIHIN NSX-GT)45pt
5th 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ(36号車 au TOM'S GR Supra)45pt
6th 中山雄一(39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra)39pt
7th 山本尚貴/牧野任祐(100号車 RAYBRIG NSX-GT)38pt
8th 立川祐路/石浦宏明(38号車 ZENT GR Supra)36pt
9th ヘイキ・コバライネン(39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra)28pt
10th 野尻智紀/福住仁嶺(8号車 ARTA NSX-GT)28pt

画像: ランキング上位が無得点だったため、14号車WAKO'S 4CR GR Supraの2人が首位をキープ。

ランキング上位が無得点だったため、14号車WAKO'S 4CR GR Supraの2人が首位をキープ。

写真:井上雅行(MM)

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