「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「日産 キューブ」だ。

日産 キューブ(2008年)

画像: 外観に負けず劣らずの個性を放つインパネ。全体のデザインを崩さないため、インパネシフトではなくコラムシフトを採用した。

外観に負けず劣らずの個性を放つインパネ。全体のデザインを崩さないため、インパネシフトではなくコラムシフトを採用した。

ひとクセあるアシンメトリー(左右非対称)は髪型やアクセサリーでも気になるもの。その微妙なバランス加減に人は惹かれてしまうのだろう。これはクルマでも世界共通のようで、国内専売車だったにもかかわらず、先代キューブのデザインは世界中で絶賛された。世界戦略車となる新型も、このデザインテイストを踏襲しながら、新たなデザイン要素が加えられている。

さまざまなところからインスピレーションを得て作られた新型キューブ。エクステリアは愛嬌満点でドッシリと構えた「ブルドッグ」、インテリアは人を心地よく迎えてくれる「ジャグジー」、メーターは自然界の象徴である「月と地球」、一滴の雫から輪が広がり共鳴しあうという「波紋」は天井やカップホルダーの底など、細かいところまで20個も散りばめられ、これらがピースフルというキューブのコンセプトを体現し、特有の雰囲気を与えている。

また、大型のガラスルーフ(スタイリッシュガラスパッケージ)を選択すると「SHOJI シェード」という3段階に光を調節できる遮光シェード、面積を調整できるサンバイザーも装備される。細かい配慮が行き届いているのが実に日本的。「世界に出て行く!」という意気込みが伝わってくる。

シートの出来も上々。とくにリアシートは座り心地を追求し、複雑な折りたたみ機構などはあえて採用しなかった。背もたれが前方に倒れる、もしくはリクライニングするだけと割り切りのいいものだ。これが居住空間の快適性や、ゆとり感をより高めている。

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