「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「トヨタ ウィッシュ」だ。

エンジンは2.0Lと1.8L。1.8Lのバルブマチックは初登場だ。それに組み合わされるのが7速AT風ゲート付きのCVT。さらに2.0Zと1.8Sはパドル付き。加えて、1.8SにはCVTスポーツモードが、2.0Zにはダイナミックスポーツモードが備わる。リアサイドドアはスライド式ではなく、あえてスイング式のミニバンを選ぶというからには、このスポーティという要素は外せない。ちなみにスポーティ度は2.0Z→1.8S→2.0G→1.8Xという順番になるが、この幅がかなり大きい。

最初に1.8Xに試乗した。往年のイプサムを彷彿とさせるようなフワフワ感は、ウィッシュっぽくないなというのが正直な印象だった。続いて、少々残念気味な気持ちで2.0Zに乗り込むと、全然違う。

リアサスにダブルウイッシュボーンを採用した効果もあり、とくにスポーツモードをオンにすると、コーナリングがシャキッと締まる。パドルシフトのレスポンスもいいし、ステアフィールもクルマとの一体感さえ覚える。かといって乗り心地は大きい凹凸こそガツンとくるものの収まりはいい。堂々とミニバンと胸を張れる乗り心地と、家族に隠れて走りを楽しむお父さんのための性能を満たしている。

それでも、ベストチョイスは1.8Sになるだろうか。街中ではペダルレスポンスが良すぎるほどのシャープなスポーツモードと、エコモードの両方を楽しめてわかりやすいからだ。燃費や価格を考慮しても、ここらが妥当なチョイスかもしれない。

画像: 6人乗りの2.0Zは、17インチタイヤに専用のリアサスやダイナミックスポーツモードで、他グレードとは一線を画す走りを見せる。

6人乗りの2.0Zは、17インチタイヤに専用のリアサスやダイナミックスポーツモードで、他グレードとは一線を画す走りを見せる。

■ウィッシュ 1.8S 主要諸元

●全長×全幅×全高:4590×1720×1590mm
●ホイールベース:2750mm
●車両重量:1360kg
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1797cc
●最高出力:106kW<144ps>/6400rpm
●最大トルク:176Nm<17.9kgm>/4400rpm
●トランスミッション:CVT(7速マニュアルモード付き)
●駆動方式:横置きFF
●タイヤ:195/60R16
●当時の車両価格<税込み>:209万円

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