2008年春、5代目クライスラー グランドボイジャーが日本に上陸した。2007年秋、フランクフルトモーターショーで公開されたこのモデルは、世界市場を視野に入れた意欲的なモデルだった。ミニバンのパイオニアとして画期的なアイデアを提案してきたグランドボイジャーは、5代目でどのように進化したのか。今回は日本上陸まもなく行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年7月号より)

アメリカンミニバンらしい堂々とした体格

日本は今やミニバン先進国と言っていい。販売台数のランキングを見ても上位にかなりのミニバンモデルがランクインしている。こんなにミニバンばかりが売れる日本のマーケットは他国からはどのように見えるのだろうか。

しかし、そんなミニバンを一番最初に産み出したのが、クライスラーだということはあまり知られていない。元祖ミニバンは、実はボイジャーなのだ。

クライスラーのミニバンプロジェクトは1977年に始まった。プロジェクト名は「魔法のワゴン」。そして1983年には7人乗りのミニバンとして初代ボイジャーがデビューしている。

ちなみに日本車では、マツダのMPVが1988年にアメリカでデビューし、1990年に日本に導入されたのが一番最初だった。続く「天才たまご」エスティマは1990年5月、オデッセイは1994年、Lクラスミニバンとしてデビューしたエルグランドが1997年、アルファードが2002年のデビューなのだから、ボイジャーの登場がいかに早いかがわかる。今回試乗したのはその5世代目となる最新モデルだ。

まずスタイリング。ルーフ幅が152mm拡大され、さらに先代モデルよりもスクエアさが強調されているその姿は、いかにもアメリカンミニバンらしい。さらにボディとガラスエリアの割合を300Cと同等とし、4灯ヘッドライトやクライスラーウイングを持つグリルなど、クライスラーファミリーの共通アイコンなども持つようになった。

ボディサイズは、全高こそ変わらないが、先代モデル比で全長+35mm、全幅+10mm、ホイールベース+50mmと成長。日本市場でのライバルとされるアルファード(350S)より全長+280mm、全幅+165mm、全高-145mm、ホイールベース+130mmと堂々とした体格。ディメンジョンを見ただけでは、ちょっと日本では持て余す大きさに思えるが、その分、室内空間は広くなったのだから7シーターとしてなら不満はないだろう。

画像: アメリカンミニバンらしい堂々とした体格

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