FIA F2 でシリーズ3位に入り、F1ドライバーの座をつかむ
角田裕毅(つのだ ゆうき)選手はホンダのドライバー育成プログラム出身で、2018年に日本でFIA-F4のタイトルを獲得。レッドブルのドライバー育成プログラムであるレッドブル・ジュニアチームにも加入し、今年からF1の下位カテゴリーであるFIA F2 選手権にカーリンから参戦して、ルーキーイヤーにもかかわらず3勝を挙げ、表彰台7回およびポールポジション4回を獲得。シーズンランキング3位となり、F1ドライバーとなるために必要なスーパーライセンスの獲得要件を満たしていた。
そしてシーズン終了後にアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで行われたF1の若手ドライバーテストにアルファタウリ・ホンダから参加、123周を走破して5番手タイムを記録したことで、正式にシート獲得が決定した。
日本人がF1にレギュラードライバーとして出場するのは、2014年シーズンまで参戦していた小林可夢偉選手以来7年ぶり、ホンダのドライバー育成プログラム出身者としては2002から2008年まで参戦していた佐藤琢磨選手以来13年ぶりとなる。
角田裕毅(つのだ ゆうき)選手は2000年5月11日 神奈川県相模原市生まれの20歳。F1参戦正式決定を受けて、次のようにコメントしている。
「レースの世界で戦う多くのドライバーと同じように、僕にとってもF1ドライバーになることは、小さな頃からの夢でした。ですので、来年からF1の舞台でレースができることを本当にうれしく思っています。僕にこのような機会を与えてくれたアルファタウリ、レッドブル、ヘルムート・マルコ博士、それに僕のキャリアを長年にわたりサポートし、欧州で戦うチャンスをくれたホンダにはとても感謝しています。また、今年F2を一緒に戦い、僕に多くのことを教えてくれたカーリンをはじめ、これまでのキャリアで所属してきたすべてのチーム・関係者の皆さんにも、この場を借りて感謝の言葉を送ります。僕が来年F1でレースをすることは、日本で応援してくれるファンの皆さんの夢を背負って戦うことでもあると思っています。みなさんと一緒にさらなる夢を叶えられるよう、これからも全力で戦っていきます」
また、アルファタウリ・ホンダのフランツ・トスト代表 は「レッドブルはここ数年、角田選手のパフォーマンスを注視してきました。今年のF2でのパフォーマンスからも、レースでのアグレッシブな姿勢と技術的な部分に対する理解の深さを見て取ることができましたし、彼が間違いなくチームにとって大きな力になることを確信しています。11月にイモラ・サーキットで2018年型のマシンをドライブした際には、コンスタントにペースを刻みながらもセッションを重ねるごとに進歩を見せ、我々のエンジニアに対してもマシンについていいフィードバックを返していました。当然、ホンダのエンジニアとのパワーユニットに関するコミュニケーションを取る際にも全く問題はありませんし、そのことはチームにとっても大きなアドバンテージになります。今週のアブダビでのテストでも、彼の習熟の早さを見て取ることができました。彼がF1ドライバーになる準備はできています」と語っている。
来年2021年シーズンは、ホンダにとってF1に参戦する最後の一年になるが、さらに注目すべきことが増えた。チャンピオンに向けて全体的なムードアップを期待したい。それにしても2021年でのホンダ撤退が残念至極と改めて感じざるを得ないのがファンのいつわらざる思いだろう。