2021年、アルファタウリ・ホンダからF1ドライバーとしてのデビューを決めた角田裕毅が日本に帰国し、リモートインタビューに応じた。どのようにしてF1シート獲得したのか、ここまでどのように戦ってきたのか、2021年シーズンをどう戦うのか。第2回は、F1昇格を決めたFIA F2最終戦とアブダビテストについてを聞いてみた。

課題をクリアできないとプログラムは終了

──今年2020年、いよいよF1昇格を目指して、FIA F2に参戦することになったわけですね。

「シーズン前半は苦しんだものの、後半でなんとかまとめ上げて、シリーズ3位の結果を出すことができました。シーズン開幕前から、ヘルムート・マルコさんからF1参戦に必要なスーパーライセンスを取得、つまりFIA F2シーリズ4位以内に入るように言われましたが、もちろんそれをクリアしてもF1のシートが保証されているわけではありませんでした。」

──スーパーライセンスを取得できるかどうか、FIA F2は最終ラウンドまで激しいバトルでした。

「プレッシャーはありましたが、第12戦バーレーンのレース1で優勝してシリーズ4位以内を確定することができました。マゼピンを1コーナーで抜いたときはやばかったですね。マゼピンは首位を走っていたので、抜かれたくない気持ちはすごくよくわかりますし、寄せてくるだろうとは予想していましたが、まさかピットロードの壁ギリギリまで寄せるとは想定外で、あとほんの少しでぶつかっていたら、ポイントが取れませんでした。そうなれば、今こうして、この場で話もできていなかったと思います」

──ルーキーイヤーにして予選ポール4回、優勝3回は素晴らしい成績です。そして、F1最終戦後にアブダビで最終テストが行われたんですね。

「11月のイモラテストで2018年仕様のトロロッソ・ホンダのマシンに乗ったことはありましたが、2020年最新仕様のアルファタウリ・ホンダのマシンはこの時が初めてでした。午前中はピットインとピットアウトを繰り返して、セッテイングを変えながら、エンジニアとの意思疎通を意識してマシンに慣れるようにしました。午後はロングランを行い、タイヤのマネージメントにも気を使って走りました」

──F1昇格は確実と言われる中でのアブダビ最終テストはどうでしたか。

「2020年最新仕様のアルファタウリ・ホンダのマシンはとにかくパワーが凄くて、首をもっと鍛えなきゃと思いましたね。またF1 はブレーキバランスやパワーモードを切り替えるなどやらなけばならないことが多く、コーナーとコーナーの間のちょっとしたストレートで操作しなけなばなりません。実はこのテストで全体の5番目のタイムを出しましたが、そのアタック中に間違ってリチャージボタンを押してしまって焦るシーンがありました。モードを変えながら走るという経験はF2までやったことがなく、操作を間違えてしまったんです。おかげでスイッチの場所をこうして欲しいとかチームに要望を出せるようになりましたが」(続く)

画像: ここまで角田裕毅は自身の可能性を見抜いてくれる人々に囲まれてきた。それだけ魅力的なドライバーであるということだ。

ここまで角田裕毅は自身の可能性を見抜いてくれる人々に囲まれてきた。それだけ魅力的なドライバーであるということだ。

画像: F2にステップアップすると、最初の2戦でいきなり速さを発揮。オーストリアの第2戦ではポールトゥウインを期待させる走りをみせた。

F2にステップアップすると、最初の2戦でいきなり速さを発揮。オーストリアの第2戦ではポールトゥウインを期待させる走りをみせた。

角田裕毅(ツノダユウキ)プロフィール

生年月日:2000年5月11日生まれ
出身地:神奈川県相模原市
身長:160cm
体重:53kg

レーシングキャリア概要:

2016年:鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)卒業
2016年:スーパーFJ 日本一決定戦優勝
2016年:FIA-F4 第11戦鈴鹿 にスポット参戦して2位(史上最年少表彰台)
2017年:JAF-F4 東日本シリーズ シリーズチャンピオン・日本一決定戦 優勝
2017年:FIA F4日本選手権 シリーズ 3位
2018年:FIA F4日本選手権 シリーズ チャンピオン
2019年:レッドブル・ジュニアチームに加入
2019年:FIA F3選手権 シリーズ 9位(Jenzer Motorsport)1勝 表彰台3回
2019年:ユーロフォーミュラ・オープン・チャンピオンシップ シリーズ4位(Motopark)
2020年:FIA F2選手権 シリーズ 3位(Carlin)3勝 表彰台7回 ポールポジション4回

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