居住空間の拡大と安全装備の充実化で、ライバルとの差別化を図る
三菱 デリカD:2は歴代スズキ ソリオ/ソリオバンディットのOEM供給を受けて販売されており、今回のフルモデルチェンジで3代目となった。5ナンバーサイズよりもひとまわり小さいコンパクトさと、それでいながら居住空間を広くとったボディ設計、また後席スライドドアやシートアレンジによる使い勝手の良さが好評を博してきた。
トールワゴンと呼ばれるこのジャンルは日本市場で大きなマーケットシェアを誇り、トヨタ ルーミーやダイハツ トール、スバル ジャスティの兄弟モデルたちが最大のライバルと言える。いずれのモデルも全長およそ3700mmで従来型デリカD:2とほぼ同じサイズ感であるが、新型デリカD:2は全長を80mm長くして全長3790mm(標準モデル)と、ライバルとの差別化を図ってきたのだ。
従来から後席足元空間の広さに定評があっただけに、この延長分は主にラゲッジスペースの拡大に割り振られ、荷室床面の長さを100mmも大きくすることに成功している。乗車定員の5人で旅行に行っても全員の荷物をしっかり積めるほどの広さになっているという。また、一般的に全長を長くすると小回り性能で不利に、最小回転半径も大きくなる傾向にあるが、この数値は従来モデル同様の4.8mと取り回しやすさを維持している。
ボディデザインは全長が長くなったことで伸びやかに、そしてボンネットフードからフロントノーズまでのボクシーな形状とすることでフロントマスクの厚みを増しているように感じる。デリカD:2のフロントグリルには大きなメッキ調ガーニッシュを採用して力強さを演出、一方デリカD:2カスタムは複雑で立体感のあるフロントグリルとし、ポジションランプ(上部)とヘッドライト(下部)の二段レイアウトとしている。
また先進の運転支援システムでステレオカメラによる衝突被害軽減ブレーキシステムや誤発信抑制機能などを持つ「三菱e-Assist」の機能強化している点も見逃せない。従来の機能に、道路標識を読み取ってディスプレイに表示する標識認識機能、全車速追従機能を持ったアダプティブクルーズコントロールなどを追加して全グレードに標準装備させているのだ。安全性の向上だけでなく運転による疲労軽減性能も高めてきたことになる。
ボディサイズと居住空間の拡大による利便性向上や安全装備の充実化など、ライバルとの差別化により商品力を高めてきたデリカD:2。市場で先行するライバル追撃なるか、楽しみなモデルである。
三菱 デリカ D:2 ラインアップ
ハイブリッド MX(CVT/FF):188万3200円
ハイブリッド MZ(CVT/FF):205万5900円
ハイブリッド MZ 全方位カメラパッケージ(CVT/FF):211万0900円
ハイブリッド MZ 全方位カメラパッケージ(CVT/4WD):223万6300円
ハイブリッド MZ 全方位カメラ付ナビパッケージ(CVT/FF):224万2900円
ハイブリッド MZ 全方位カメラ付ナビパッケージ(CVT/4WD):236万8300円
カスタム ハイブリッド MV 全方位カメラパッケージ(CVT/FF):214万1700円
カスタム ハイブリッド MV 全方位カメラパッケージ(CVT/4WD):226万7100円
カスタム ハイブリッド MV 全方位カメラ付ナビパッケージ(CVT/FF):227万3700円
カスタム ハイブリッド MV 全方位カメラ付ナビパッケージ(CVT/4WD):239万9100円
デリカ D:2(ハイブリッド MZ・FF) 主要諸元
●全長×全幅×全高:3790×1645×1745mm
●ホイールベース:2480mm
●重量:1000kg
●パワーユニット種類:直4 DOHC + ISG
●排気量:1242cc
●エンジン最高出力:91ps/6000rpm
●エンジン最大トルク:118Nm/4400rpm
●モーター最高出力:3.1ps/1000rpm
●モーター最大トルク:50Nm/100rpm
●トランスミッション:CVT
●WLTCモード燃費:19.6km/L
●タイヤサイズ:165/65R15