「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、三菱 コルトとデリカD:5だ。

三菱 コルト(2010年:一部改良)

画像: モノフォルムのスタイルで4mを切る全長のコンパクトなボディは、デビューから8年を経たが古びた印象は受けない。

モノフォルムのスタイルで4mを切る全長のコンパクトなボディは、デビューから8年を経たが古びた印象は受けない。

三菱のコンパクトカーであるコルトと、ミニバンのデリカD:5が、同時に一部改良された。いずれも燃費を向上してエコカー減税対応になったのだが、さっそく試乗して魅力を探ってみることにした。

i-MiEVをデビューさせてEVのマーケットにいち早く名乗りを上げた三菱だが、その本格普及にはまだ時間が必要だ。だから既存モデルを熟成させ魅力を維持して行くことも重要だ。

というわけで、コルトから。その登場は2002年だから、最新の(編集部註:2010年当時)コンパクトカーと比べると古さを感じてしまいそうなところだが、独特のモノフォルムデザインはあまり古びていないし、何よりも足腰がしっかりしているのがコルトの強みといえるだろう。

今回の一部改良では、ボディカラーの一部変更以外、内外装はノータッチだった。変わったのは、オルタネーターの発電制御を進化させ、減速時に重点的に電気を起こす回生エネルギー機構を導入したことだ。コルトでは発電制御は以前も行っていたのだが、制御をより細かくすることで燃費効率を上げたのだ。

また、コルトプラスの主要モデルはエンジンが1.3Lとなった。その結果、コルト/コルトプラスの1.3LはFFで75%、4WDでも50%のエコカー減税対応車となった。これが最大のニュースといえるだろう。

今回、試乗したグレードは、コルトで売れ筋のクールベリー。最新のライバルたちと比べると、室内の広さはソコソコだし、やや騒々しいエンジンと、もう少し低回転重視でいてほしいCVTなど、古さも感じさせるところはあるけれど、値頃感と素性の良さは健在だった。

画像: コルトの1.3RXとコルトプラスも含めたベリー、クールベリーの2WD車は発電制御の導入とオルタネーターの効率アップで燃費を向上。

コルトの1.3RXとコルトプラスも含めたベリー、クールベリーの2WD車は発電制御の導入とオルタネーターの効率アップで燃費を向上。

■三菱 コルト クールベリー 主要諸元

●全長×全幅×全高:3900×1680×1550mm
●ホイールベース:2500mm
●車両重量:1020kg
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1332cc
●最高出力:68kW<92ps>/6000rpm
●最大トルク:124Nm<12.6kgm>/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:20.0km/L
●タイヤ:175/65R14
●当時の価格(税込み):127万500円

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