デビュー以来、本誌でも積極的に取り上げてきた「2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」受賞のプジョー 208/e-208。その試乗インプレッションを真っ先に担当した石川氏はどう評価してきたのか。あらためて、その概要をここで紹介してみたい。(Motor Magazine2021年3月号より)

ICE(内燃機関)もピュアEVも運転操作は同じ

100ps/205Nm仕様の1.2L 直3ターボエンジンは最新の8速ATと組み合わされる。最大トルク発生回転数は1750rpmだが、実際にはワイドなトルク特性で、アクセルペダルを踏んだ瞬間から軽快に走り出す。リミットは6000rpmと低めで高回転域の伸びやパンチはそこそこだが、そこまでの回転フィールは3気筒独特のビートを感じさせつつ極めてスムーズだ。

乗り心地はGTラインでも必要以上の固さを感じることなく徹頭徹尾、滑らか。コーナリング時には4輪が粘るようにしてフラットな姿勢を保ち安心感が高い。

E-208では電気モーターをパワーコントロールユニットとともにボンネット下に搭載し、フロントシート下、センタートンネル、そしてもともと燃料タンクがあった後席下にリチウムイオン電池を分散配置している。

運転の方法も、ICEモデルと同じ。スタートスイッチでシステムを起動させ、シフトレバーでDレンジを選びアクセルペダルを踏み込めば実にスムーズにするすると走り出す。

加速感はとてもシャープ。レスポンスが良く、実用域での速度制御をスムーズかつ正確に行える。80km/hあたりまでなら「ホットハッチ」と評してもいいほど元気いっぱい。しかもそれを静かな環境で楽しめるのだ。ワインディングロードでの身のこなしは、小径ハンドルの操作感も含めてキビキビ、軽快だった。

「パワーオブチョイス」の時代は、かなり面白いことになりそうだ。(文:石川芳雄/写真:永元秀和)

画像: e-208 GTラインの走りは、静粛でスムーズかつシャープだった。

e-208 GTラインの走りは、静粛でスムーズかつシャープだった。

プジョー208GTライン主要諸元

●全長×全幅×全高:4095×1745×1465mm
●ホイールベース:2540mm
●車両重量:1170kg
●エンジン:直3 DOHCターボ
●総排気量:1199cc
●最高出力:74kW(100ps)/5500rpm
●最大トルク:205Nm/1750rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・44L
●WLTCモード燃費:17.0km/L
●タイヤサイズ:205/45R17
●車両価格(税込):293万0000円

プジョー208アリュール主要諸元

●全長×全幅×全高:4095×1745×1445mm
●ホイールベース:2540mm
●車両重量:1160kg
●エンジン:直3 DOHCターボ
●総排気量:1199cc
●最高出力:74kW(100ps)/5500rpm
●最大トルク:205Nm/1750rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・44L
●WLTCモード燃費:17.0km/L
●タイヤサイズ:195/55R16
●車両価格(税込):259万9000円

プジョーe-208GTライン主要諸元

●全長×全幅×全高:4095×1745×1465mm
●ホイールベース:2540mm
●車両重量:1500kg
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:100kW(1360ps)
●最大トルク:260Nm/300-3674rpm
●バッテリー総電力量:50kWh
●JC08モード航続距離:403km
●駆動方式:FWD
●タイヤサイズ:205/45R17
●車両価格(税込):423万円

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