クルマの完成度とは総合的な評価で成立する。「2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」を受賞したレヴォーグのシャシ性能の高さに目を見開かされたと同時に、 EXモデルが装備する高度運転支援システム、「アイサイトX」の完成度にも大谷氏は驚かされた。

しなやかなサスペンションが快適な乗り心地を提供

この企画のもうひとつで、私はプジョー 208の乗り心地を賞賛しているが、その208からレヴォーグに乗り換えて「うわー、こっちのほうが足まわりはさらに滑らかだ」と感じてしまった。乗り心地のスムーズさにおいて、日本車がフランス車に勝る日がやってくることなど想像もできなかった私にとって、この発見は驚きであると同時に、大きな喜びでもあった。

そんなレヴォーグの乗り心地、ただ足まわりがソフトなだけではなく、サスペンションのフリクション感が極端に小さく、路面のかすかな上下動にも正確に反応してストロークするところが素晴らしい。

この滑らかさを実現するには、サスペンションのセッティングやパーツのクオリティを見直すだけでなく、サスペンション取り付け部を中心とするボディ剛性の強化も必要だったはず。つまり、かなりぜいたくに作り込まれたシャシなのだが、その効果は乗ればたちどころにして理解できることだろう。このしなやかなサスペンションのおかげでレヴォーグの乗り心地は実に快適。

そしてタイヤがどっしりと接地している様子は、何ともいえない安心感を生み出しており、それでいてボディの動きは適度に抑え込まれているのでハンドリングも申し分なし。ロードノイズが小さいことを含め、レヴォーグのシャシには100点満点を差し上げたい。

画像: ハイグレードのGT-H系は18インチのタイヤ&ホイールを装備(STIスポーツも同サイズ)。GT系は17インチとなる。

ハイグレードのGT-H系は18インチのタイヤ&ホイールを装備(STIスポーツも同サイズ)。GT系は17インチとなる。

機能面もコストパフォーマンス面も秀逸のアイサイトX

アイサイトXの仕上がりぶりも素晴らしい。アクティブレーンキーピングの緻密なトレース性、さらにはカーブや料金所での車速制御は、人工衛星を用いた位置情報と3D高精度地図データを組み合わせることで初めて実現できたこと。

同様の技術は日産のプロパイロット2.0にも採用されているが、一説には100万円以上の価格差があるともいわれるプロパイロット2.0に対し、アイサイトX装着車はベース車の38.5万円高。機能的にプロパイロット2.0が勝っている部分があるとはいえ、コストパフォーマンスの面ではアイサイトXの圧勝だといえる。

実は、アイサイトXの地図データは、日本専用のもの。いやいや、そもそもこのレヴォーグ自体が日本の道幅に合わせて開発された日本専売車なのである。北米向けや中国向けの製品を日本で販売することはあっても、日本市場だけのためにボディから開発された日本車は滅多にない。

個人的には、これだけいいクルマなのだから、海外にも輸出して利益を上げて欲しいところだが、そんなスバルのマジメさも心を惹かれるポイントなのだ。(文:大谷達也/写真:永元秀和)

画像: WRブルーパールのSTIスポーツEXとピュアレッドのGT-H EX。

WRブルーパールのSTIスポーツEXとピュアレッドのGT-H EX。

スバル レヴォーグSTIスポーツEX主要諸元

●全長×全幅×全高:4755×1795×1500mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1580kg
●エンジン:対4 DOHCターボ
●総排気量:1795cc
●最高出力:130kW(177ps)/5200-5600rpm
●最大トルク:300Nm/1600-3600rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・63L
●WLTCモード燃費:13.6km/L
●タイヤサイズ:225/45R18
●車両価格(税込):409万2000円

スバル レヴォーグGT-H EX主要諸元

●全長×全幅×全高:4755×1795×1500mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1570kg
●エンジン:対4 DOHCターボ
●総排気量:1795cc
●最高出力:130kW(177ps)/5200-5600rpm
●最大トルク:300Nm/1600-3600rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・63L
●WLTCモード燃費:13.6km/L
●タイヤサイズ:225/45R18
●車両価格(税込):370万7000円

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