2021年2月17日、マクラーレン オートモーティブは、ハイパフォーマンス ハイブリッドスーパースポーツカー「アルトゥーラ(McLaren Artura)」を発表した。新世代ハイブリッドスーパーとしてプラットフォームから新設計、スーパーカーシリーズの価格帯で登場したのが注目ポイントだ。かねてより2021年前半のデビューが噂されていたモデルで、スーパーカー市場に大きなインパクトを与えそうだ。

ハイブリッドに最適化されたカーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー

マクラーレン アルトゥーラは、2012年に発表されたハイブリッド ハイパーカー「P1」、2020年から生産が始まったマクラーレン史上最速の最高速度403km/hを誇る「スピードテール」の技術を継承するハイブリッドモデルで、マクラーレン初のシリーズ生産ハイパフォーマンス・ハイブリッド(HPH)スーパーカーに位置づけられる。

アルトゥーラのポイントは、まったく新しいマクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)を採用する最初のモデルとなるということ。このMCLAは高性能ハイブリッドの搭載に向けて最適化されたHPHパワートレーン専用のプラットフォームで、専用のバッテリーコンパートメントを備えた超軽量設計としたほか、画期的なイーサネット・エレクトリカルアーキテクチャーや電動の暖房・換気・空調(eHVAC)システムを採用する。とくにイーサネット・アーキテクチャーにより配線が最大25%削減され、データの伝送速度が大幅に向上、先進運転支援システム(ADAS)の精度が格段にあがり、リモートによるソフトウェアのアップデートが可能となったのは注目だ。

アルトゥーラが「スーパーカーの技術と性能における新時代の到来を告げる」とされるのはこのMCLAを採用するためで、ハイパフォーマンス・ハイブリッド(HPH)スーパーカーの第1弾となるというわけだ。

注目のパワートレーンは、新開発の3L V6ツインターボエンジンとコンパクトなモーターの組み合わせ。M630型 2993cc V6ツインターボエンジンはドライサンプ式、軽量コンパクトなアルミ製で単体重量はわずか160kgに抑えられている。またバンク角を広角な120度としているのも特徴で、Vバンク内にターボチャージャーを配することで低重心としている。最高出力は585ps、最大トルク585Nm、レブリミットは8500rpm。

モーターはアキシャル・フラックス Eモーターと呼ばれるもので、一般的なモーターよりも小型で電力密度が高く、最高出力95ps、最大トルク225Nmを発生する。モーターはこのモデルのために開発された8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)と、エンジンの間にあるベルハウジング内に搭載される。後退はモーターを逆回転させて行うためリバースギアが不要となり、ギアボックスがコンパクトになっているのも特徴だ。モーターとエンジンの出力はディスコネクトクラッチで統合制御される。

パワーの設定は4つのモードから選択でき、Eモードでは電気のみで30km走行可能、Comfortモードでは走行距離と効率性を最大化するためエンジンを段階的に使用、SportモードとTrackモードでは低速域のレスポンスと加速のためにモーターをアグレッシブに利用する。モーターによる瞬時のトルクデリバリーは「トルクインフィル」と呼ばれ、これが鋭いスロットルレスポンスの鍵となっている。発進時のパフォーマンスは、0→100km/h加速は3.0秒という。

駆動用のバッテリーは5個のリチウムイオンモジュールで構成され、最大電力量は7.4kWh。配電ユニットも含めたアッセンブリーは、剛性や重量配分、衝突保護性能を考慮してモノコックのリア底部にマウントされる。また、内燃エンジンによる充電機能に加え、プラグインハイブリッド(PHEV)機能を備え、2時間半で80%を充電することもできる。

画像: マクラーレン初のシリーズ生産ハイパフォーマンス・ハイブリッド(HPH)スーパーカー「アルトゥーラ」。新しいマクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)はマクラーレン・コンポジット・テクノロジーセンター(MCTC)で生産される。

マクラーレン初のシリーズ生産ハイパフォーマンス・ハイブリッド(HPH)スーパーカー「アルトゥーラ」。新しいマクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)はマクラーレン・コンポジット・テクノロジーセンター(MCTC)で生産される。

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