「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ホシノインパルが手がけたフーガのチューンドモデルだ。

上質感にこだわったルックスと走りの調和

画像: コンピュータや吸排気系のライトチューンで、最高出力は15psほどアップしているという。

コンピュータや吸排気系のライトチューンで、最高出力は15psほどアップしているという。

フロント6ポット、リア4ポットのオリジナルブレーキも絶品だ。踏んだ量に対してリニアに制動するこのブレーキは、ブレーキング時に極端なノーズダイブを起こすこともなく、前後が安定してキッチリと止まる。それでいてほとんど鳴きがないところもいい。車格に合ったブレーキといえるだろう。

パフォーマンスに関しては、スロットルバルブとコンピュータ、そしてマフラーといったところが変更されている。スロットルバルブは純正より3mm口径を拡大したビッグスロットルとなり、コンピュータにはその特性変化も考慮したセッティングを施している。こうした変更によって、パワーはおよそ15psほどアップしている。とくにスロットルを踏み込んだ時のツキが非常にいい。

マフラーもオリジナルだが、アイドリング時の音量はノーマルと変わらないほど静か。一方で高回転域では、抜けの良い乾いたサウンドが楽しめる。これならパッセンジャーを乗せていても文句を言われずに済みそうだ。

ほど良くスポーティ&上質に仕上げられた中身にふさわしく、エクステリアの仕上げも質感が高い。AMGテイストのアクの強さが際立つエアロパーツだが、チリを考えてフロントフェンダーはあえてFRPにしなかったという。きっちりダクトを設けて、デザインアクセントで個性を主張しているあたりもインパル流だ。

見た目から走りまであらゆる領域にこだわりを感じさせるインパル フーガ「651S」。このクルマからは、常に妥協なく仕事に取り組む星野氏の姿勢と情熱が伝わってくる。

画像: 前後バンパーの左右に配されたフィン形状のアレンジが、サイドステップとの一体感を絶妙に演出している。

前後バンパーの左右に配されたフィン形状のアレンジが、サイドステップとの一体感を絶妙に演出している。

■日産 フーガ 370GTタイプS(ベースのノーマル車)主要諸元

●全長×全幅×全高:4945×1845×1500mm
●ホイールベース:2900mm
●車両重量:1750kg
●エンジン種類:V6 DOHC
●排気量:3696cc
●最高出力:245kW<333ps>/7000rpm
●最大トルク:363Nm<37.0kgm>/5200rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●10・15モード燃費:9.5km/L
●タイヤ:245/40R20
●当時の価格<税込み>:492万4500円

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